ネレ・ノイハウス 『悪しき狼』 ― 2018/11/13
職場の人から聞きましたが、今、高校球児の根尾君の愛読書が売れているそうですね。
その本がすごい。
外山滋比古の『思考の整理学』と渋沢栄一の『論語と算盤』ですって。
外山さんの本は一時期流行っていたので知っていますが、渋沢栄一なんて、渋い。
私の読む本の軽いこと(恥)。

オリヴァ―&ピア・シリーズの六作目。
オリヴァ―はやっと離婚が成立し、ピアは一緒に生活をしている男性の娘をしばらく預かることになる。
そんな時、マイン川で少女の死体が発見される。
彼女は14歳から16歳ぐらいで、長期間監禁され、虐待されており、その上、性的虐待がされた痕があり、死因は溺死だった。
オリヴァ―とピアは捜査を始めるが、なかなか捜査は進展しない。
オリヴァ―がやっと帰ってきましたが、ピアの方が捜査は上手ですね。
欧米で多いらしい幼児の性的虐待のお話なので、とっても気分が悪くなりました。
社会的地位の高い人たちが幼児性愛者の場合は、互いに助け合い、もみ消しあい、なかなか表面には出てこないといいます。
結局、犠牲になるのが子どもたち。
ピアたちはどうやって明るみに出していくのか。
そして、次に続きそうな感じですが、逃げ延びた奴がどうなるのか。
まだまだ読む楽しみは続きそうです。
レイフ・GW・ペーション 『許されざる者』 ― 2018/11/15

国際犯罪捜査局の元長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソンはホットドッグを買った後に脳梗塞で倒れ、右半身に麻痺が残りました。
入院していた時に主治医が彼に相談を持ちかけます。
牧師だった父親が、25年前、9歳の少女が強姦され、殺害された事件の犯人について、女性が懺悔するのを聞いたが、守秘義務のため明らかにできず、悔いを残して死んだ。
その事件は新しい法の執行前に時効になってしまったが、もう一度調べ直して犯人を教えて欲しいと言うのです。
興味を持ったラーシュはリハビリに通いながらも、相棒だった元刑事と共に事件を再度調べることにします。
すぐに眠くなっちゃうところはご愛嬌ですが、元凄腕長官が事件を調べると、なんとすぐに犯人がわかってしまいます。
一体当時の刑事たちは何をしていたのか。無能な奴らめ。
若い奥さんの願いも空しく、心臓が悪いので食べ物に注意し、運動するようにと言われていたにもかかわらず、ラーシュは不摂生を改めることなく、好き勝手に行動し、人をこき使います。
憎めないのは何故かしら?
最後が・・・書かないけれど、残念でした。
『悪しき狼』と同様、糞みたいな犯人です。
欧米では幼児の性的虐待が日本よりも多いんですかね。
北欧ミステリ、おもしろいです。
お勧めの一冊です。
溝口智子 『万国菓子舗お気に召すまま1~4』 ― 2018/11/16

万国菓子舗「お気に召すまま」は変わったお菓子屋です。
和菓子でも洋菓子でも、どこかの国のお菓子でも、お客さんにリクエストされれば、どんなものでも、お菓子である限り、作ってしまうのです。
パティシエはちょっと怠け者だけど、腕はいいという壮介。
おじいさんがドイツ人でドイツ菓子の職人でした。
クオーターなので、とってもイケメンです。
お店のたった一人の店員はバイトの久美。
実は久美は昔からこのお店で働くことが夢だったのです。
彼女はいつもダイエットといいながら、壮介の作るお菓子の試食ばかりしています。
久美は壮介(と彼の作るお菓子)が好きなのだけど、壮介は知っているのか知らぬのか、微妙です。
こんな二人がお客さんのどんなリクエストに応えてお菓子を作っていきます。
例えば、こんなのがありました。
桃カステラ、苺大福、サバラン、ポテチ、バター餅、ガレット・デ・ロワ、水無月、薔薇酒、さげもん、焼きまんじゅう、クナーファ、ライムパイ、ブリガティロ、いきなりだんご・・・。
どれも美味しそうです。
唯一、気になるのが、久美があまりにも無知なこと。
お菓子好きならそれぐらい知っていろよ、常識だろ、と何回心の中で叫んだことか。
もう少し、お利口さんなヒロイン求む。
読んでいるだけで、お菓子を食べた気になれるので、ダイエットにはいいかも。
あ、食べたくなる人は読むのを止めましょう。
次の日にお菓子屋にダッシュしてしまうかもしれませんもの(笑)。
ヨシノサツキ 『ばらかもん 1~17』 ― 2018/11/17

自作を酷評した書道展示館の館長をぶん殴ってしまい、書道界の重鎮の父親に頭を冷やして来いと南の島へ追放になった23歳の書道家半田清舟。
まあ、作風に息詰まっていたからいいか。
綺麗な字なんだけど、それだけって感じ。
島は彼を温かく(?)迎えてくれた。
住民たちには玄関なんて関係ない。
気づくと、部屋に人がいる。
それも生意気な中学生が。
どうもたまり場になっているらしい。
その上、小学生のなるに懐かれた。
半田のことを「先生」と読んで、どこにでもついてくる。
彼女のおかげで半田は島に溶け込めた。
島の人々との交流と自然により、半田の書はどう変わったのか。
気になります。
(でてくる作品がそれほど・・・と思うのですが、書道漫画じゃないからいいか)
このシリーズも1月で終わりだとか。
最後はなんとなくわかるような感じです。
島暮らし、一度はしてみたいけれど、私のような人づきあいの苦手な人には大変なんだろうなぁ。
川口俊和 『思い出が消えないうちに』 ― 2018/11/18

『コーヒーが冷めないうちに』、『この嘘がばれないうちに』に続く三作目です。
舞台が函館に変わりました。
母親のユカリが父親を探している男の子と一緒にアメリカに行ってしまったので、急遽、函館の喫茶店「ドナドナ」に助っ人として行く流。
この喫茶店でも「フニクリフニクラ」と同じように未来や過去に行けます。
ユカリがいないので、コーヒーをいれる役は流れと一緒に函館に来た幸ちゃんに。
前作よりもルールがしつこく説明されます。
舞台が北海道になったからといって特に変わったことはないような・・・。
あのまま「フニクリフニクラ」でもよかったのではないかしら?
気になったのが亡くなる人が多すぎなこと。
ハッピーエンドでもいいんじゃない。
なんか泣かせてやろうという感じが強い感じがしてしまいます。
それが売りだから仕方ないのかもしれませんがね(笑)。
4作目が出たら・・・同じような感じだと思うので、もう読まないかもしれません。

兄犬は新しいベッドがお気に入り。
今まであったベッドには寝ずに、ツリーのベッドに寝ています。
弟もおさがりの綿あめ屋小屋にいつも入っています。
今までは気に食わないことがあるとおしっこをトイレ以外でして困らせいましたが、今はそういうこともしなくなりました。
ひょっとして、兄ばかりベッドで寝ているのが気に食わなかったのかも。
犬も兄弟平等に扱われたいのかも。
「フェルメール展」@上野の森美術館 ― 2018/11/19
フェルメール展に行ってきました。
入場制限があり、事前にネットでチケットが買えるというので、ゆっくりじっくり見られるのだとばかり思っていました。
しかし、行った人のブログを見ると、混んでいるようです。
行ってみると、15分前なのに長蛇の列。
堅いコンクリートの所に座って、列が短くなるのを待ちました。
入場時間になって20分ぐらいして、やっと列が短くなりました。
これでは中も混雑しているよね・・・。

上野の森美術館は何度か来たことがあるはずですが、記憶がありません。
展示室が狭く、人で埋まっています。
人の頭を見ている感じです。
膝の調子がよくないので、サッサとフェルメールの部屋へと行くと、これまた沢山の人、人、人・・・。
何とか一番前の列に並び、ゆっくりと見ることにしました。
が、これもなかなか進まず。
後ろの人が押してくるのが嫌です。(老女にこういう傾向があるのは何故かしら?)
展示されていた9点をすべて見るまで30分以上かかりました。
やっぱりいいのは<牛乳を注ぐ女>です。

色彩といい、雰囲気といい、見る価値はあります。
2500円も取るのなら、音声ガイドはいらないから(私は嫌いなのよねぇ)入場者を半分に減らして欲しかったわ。
それじゃ、採算とれないのかしら?
フェルメール展は平日の夜が空いているんじゃないかと思いますので、これから行こうと思う人は試してください。
会場を出て、座って友人を待とうと思っていたら、外に出てしまいました。
仕方なく、またコンクリートの上に座りました。
優雅さのまったくない、過酷な美術展です。
絵をじっくり見るなら海外の美術館に行くしかないですね。
イアコッペが近くにあるので、買いに行ってみると、残っていたのが三種類。

ピスタチオとアンバターを買いました。
入っていた紙の表に<考える人>、裏に説明が。
月によって変わるのかしら?
伊豆栄で不忍御膳を食べて帰ってきました。
ひさしぶりに友人にも会えたし、フェルメールも見れたし、いい一日でした。
本多孝好 『MOMENT』 ― 2018/11/20

大学の授業料を稼ぐために病院で清掃夫のバイトをやっていた「僕」は、ひょんなことから末期患者の最後の願いを聞き、叶えることとなってしまいます。
4話からなり、それぞれに願うことは違うけれど、裏があって、気持ちのいい終わり方ではなかったりします。
「僕」がしゃしゃり出て、よかったのかどうか。
一番好きなのは「firefly」です。
乳がんが再発し、再入院することになった女性が「僕」に依頼したことは何か。
せつない話です。
最期に人は何を思い、何を願うのか。
できれば人を恨んだり、心残りがあったりせずに逝きたいと思いますが。
「僕」ちゃんのような人がいたら、何を頼もうかしら?
死はまだ遠いようで、身近に来ているのかもしれませんね。
桜木紫乃 『霧 ウラル』 ― 2018/11/22

桜木さんの本はほぼ読んでいますが、これは読んでいなかったと思います。
昭和30年代の国境の町・根室を扱った作品です。
北海道の最東端の根室に戦前からある河之辺水産の社長には三人の娘がいました。
長女の智鶴は国政を目指す大旗運輸の御曹司に嫁ぎ、次女の珠生は家を飛び出し、芸者になり、その後、相羽組組長の妻となり、三女の早苗は河之辺水産の跡取りとして実家を継ぐため、金融業の杉原家の次男を養子にすることになっていました。
女たちの生き様がすさまじいです。
夫を政治家にするために妹たちをも利用する長女。
相羽の心のありようがわからず苦悩しつつも鬼になろうとする次女。
自分が家を継がなければならなくなり、不満タラタラの三女。
それに比べて男たちは・・・。
これぞ桜木という作品です。
根室に行ったことはないけれど、たぶん暗い荒れた海の町なんだろうなぁ。
(根室のみなさん、ごめんなさい)
霧村悠康 『十二文病院 最期の依頼』 ― 2018/11/23
なんか今時ではない題名の本ですね(笑)。
霧村さんって大分お年を召した方でしょうか。
十二文とは、死んで三途の川を渡る時に渡し守に払う船賃が一人六文なので、二人だと十二文。
十二文病院とは、二人で一緒に死にたいと言う人たちのための病院なのです。
夫と一緒に死にたいかと聞かれたら、死にたいとはすぐには言えませんわ。
その時の年齢にもよると思います。
今なら遠慮しときます(笑)。
それが80とか90で、自分がよぼよぼしていたら、頼むかもしれません。
安楽死とか尊厳死とか問題になっていますが、早く法律化してもらいたいものですね。
フグを食べる♪ ― 2018/11/24
昨年は何故かフグを食べに行かず、今年は絶対に行こうと決めて行ってきました。
2年前に行ったお店は狭く、喫煙OKの上、赤ちゃんがギャーギャー泣いており、お母さんが寒いのに外で赤ちゃんをあやし、お父さんはバクバク食べているという状況で、非常に印象が悪かったのを思い出しました。
今回は場所を変え、行ってみると、いいじゃありませんか。
新しいお店だそうです。
ちょっと豪華に食べてみました。
まず、湯引きで乾杯。
そして、てっさ。

ぶつ刺し。
唐揚げが出てきて・・・

カラッとあがっています。
次は焼フグ。

タレはポン酢であっさりと。
鍋には純金鍋コラーゲンが入りました。

金粉が入っていたはずなのですが、どこに行った?

〆はお茶漬けと雑炊です。
2人で行ったので、コースを別にして各1人前ずつで色々な料理を味わいました。
最後にデザートでアイスを食べて終わりです。
フグだからカロリーはたいしたことないわよね。
次回は久しぶりにジンギスカンを食べに行こうかと話しています。
実は美容院で小樽出身と長野出身の美容師さんと話をした時に、ジンギスカンの話がでて、食べたくなったのです。
因みに、長野の信州新町でもジンギスカンを食べてるそうで、美容師さん曰く、札札幌農学校で教鞭をとっていた有島武郎の弟が長野で綿羊の飼育を始めたそう。
北海道ではお店でタレに漬け込んだジンギスカンを買ってきて食べますが、信州新町の人はスーパーで生の羊肉を買ってきて、各家庭独自のタレに漬け込んで食べるそうです。
タレに漬け込んだジンギスカンを食べるか、焼いてからタレにつけて食べるか、どちらが好きですか?
私はタレに漬け込んだ方です。
食欲の秋ではなくて、冬ですわ(笑)。
最近のコメント