西村健 『バスへ誘う男』2020/06/13

退職して時間を持て余している男性向きの本です。


私こと須賀田は退職するまで東京都の交通局に勤めており、退職してからは路線バスのコーディネーターをしております。
東京都のシルバーパスを使いますと東京都内のバスなら乗り放題ですので、お金はいただいておりませんが、お酒の一杯ぐらいならよろこんでいただいております。
案内したバス旅を少しご紹介いたしましょう。
大手建築会社に勤めていた旦那さんを忍ぶ路線旅、元足立区職員の方の足立区巡り、豊洲と築地の新旧両市場探訪、都内富士塚巡りなど多種多彩です。
ご興味をお持ちになりましたならウェブサイトで公開しておりますのでご覧下さい。

今日もお客さんをお連れし、帰りにどのバスに乗ろうかと時刻表を見ていましたら、バスの中でよく見かける男性がいて、同好の士と思わず声をかけてしまいました。
彼は元刑事の炭野という方で、私がいつも違う人と乗っているのを不思議に思っていたようです。
彼と飲みに行って意気投合し、それから日時が合えば一緒にバスに乗るようになりました。
彼の友人の元刑事郡司さんと元不動産屋の吉住さん、そしてコーディネーターとして知り合った未亡人の小寺夫人と一緒にバス旅をすることもあります。
いい友に出会えました。
炭野さんの家に招かれてお邪魔したこともあります。
奥さんのまふろさんは料理と謎解きの名人なのです。
彼女のおかげでお客さんからの依頼も増えました。
ありがたいことです。

須賀田さんのまねをしてみました(笑)。
主人公が元刑事の炭野からバス旅コーディネーターの須賀田に代わって、バス旅がなお一層面白くなっています。
車酔いをする私はあまりバスに乗るのが好きではないのですが、何かテーマがあれば乗りがいがあって楽しくなりそうだと思いました。
でも東京に住んだことがなく、住んでいたとしても出歩かない人は読んでも面白くないでしょうね。どこをバスが走っているのかわかりませんから。
今回は私の知っている場所が多かったので、あそこかとわかり、なおさら面白く感じたのだと思います。

バスの路線地図と東京都の地図を片手に、もしくは須賀田さんと同じようにタブレット片手に、調べながら読んでみるといいでしょう。
西村さんってバスオタクなのかしら?
次はどんな路線が出てくるのか楽しみです。

有川ひろ 『イマジン?』2020/06/14



歌舞伎町でチラシ配りのバイトをやっていた良井良助は、知り合いの佐々に誘われ映像制作の現場でバイトをすることになります。
実は良助は幼い頃、『ゴジラvsスペースゴジラ』を見て感動し、映画を作る人になりたいと思い、福岡の映像専門学校で学び、東京の小さな映像会社に内定をもらっていたのです。
しかし、初出社で会社に行ってみると、会社はもぬけの殻。
計画倒産で良助は欺されていたのです。
それから映像会社に面接に行くたびに、あんな会社にいた奴は絶対に雇わないと相手にされず、バイトでほそぼそと暮らしていたのです。
バイト先の会社は『殿浦イマジン』といい、『天翔ける広報室』という日曜夜九時の連続ドラマの現場で働けることになったのです。
良助にとって現場で働くことは初めてのことですから、即戦力にはなれません。
とにかく現場に何が必要か「必死で知恵を絞って想像し」、体を動かすのみ。
良助の頑張りが社長の殿浦に届き、『殿浦イマジン』で正社員として雇ってくれることになります。
現場では様々な出来事が起こり、ピンチになったり、互いに助け合ったり、そしてふと自分の未来を思ったり・・・。
良助、どう成長していくのか。

映像制作のお仕事本です。
登場人物たちがみんなキャラがたっており生き生きとしています。
『空飛ぶ広報室』に出てきた人が登場しているのかな?(誰が出ているのか忘れちゃったけど)
他にも『図書館戦争』や『植物図鑑』を彷彿させる場面が出てきます。
久々に読む有川さんは流石面白いです。
そういえば『シアター!』の続編はどうなったのかしら?

この前、東京上空をブルーインパルスが飛びましたね。
ブルーインパルスにちなんだ自衛隊好きの有川さんならではの蘊蓄を紹介しましょう。(86ページ)
ブルーインパルスは東日本大震災で津波の被害を受けた航空自衛隊松島基地が本拠地なのだそうです。
震災の時はたまたま九州新幹線開通イベント飛行のために芦屋に出張中で被害を免れ、松島に帰還したのは震災から二年後だったそうです。
ニュースで報道されたのでしょうが、全く記憶にございません(恥)。
震災で被害を受けていたら、東京上空を飛ぶことがなかったかもしれませんね。
そう思うと感慨深いです。

有川さんファンの方も映像制作会社を狙っている方もそうじゃない方も、一気に読める楽しい本です。

山口恵以子 『さち子のお助けごはん』2020/06/15



『食道のおばちゃん』や『婚活食道』を書いている山口さんの本です。
今流行の出張料理人が主人公です。

出張料理人・飯山さち子はアシスタントの結城まりとともに様々な家庭にお邪魔し、おもてなし料理や忙しい人のために何品かストック料理などを作ったりしています。
彼女は老舗料亭の一人娘だったのですが、花板だった父親が急死。
父の味を継ぐはずの夫が重圧に耐えきれず失踪し、店が潰れてしまったという過去がありました。
さち子は時にはお客さんの悩みを聞き、悩みが解決できるような料理も作ります。
例えば、食欲のなくなった依頼人の母親のためにスープを作ったりとか。
さち子は意外と世話焼きなんですが、分をわきまえています。
そんなところがお客さんに愛される理由なのでしょうね。

1話1話がとても短くて、読みごたえがありません。
食品会社の会報誌に連載されていたものを本にしたからでしょうね。
通勤電車の中で読むにはいいのでしょうが、じっくり読もうと思うと、物足りない内容です。

柏井壽 『鴨川食堂もてなし』2020/06/16



料理雑誌に載っている「食捜します」の一行広告を見て鴨川食堂に訪れる人たち。
彼らの心の中には食にまつわる秘めた想いがあります。
その想いを店主の鴨川流がくみ取り、日本中探し歩き、料理を再現していきます。
流は元刑事。その時のノウハウを生かし、ちょっとした手がかりから食を捜していきます。

今回探して再現するのは、ビフテキ、春巻、チキンライス、五目焼きそば、ハムカツ、ちらし寿司・・・。
どれも日常的に食べる料理ですが、一つ一つに作り手の想いが込められています。

今回は料理を捜して終わりというのではなく、その後が流も気になる依頼が多いようです。

若い料理人に流は言います。
「料理は形やない。心なんですわ」
「世間の評判やとかは気にせんと、自分がええと思う料理を作って、喜んでもらえたら、料理人冥利に尽きますがな」
美味しい料理を流が作る時の心意気なんですね。

他にも流の言葉で好きなものがありました。
「しあわせっちゅう言葉から、どんな絵を思い浮かべるか。人それぞれや。みんながみんなおなじ絵を描いたらつまらんがな」
「しょせん人生はうたかた。どんな泡もいつかは消える。いきとることが夢物語なんや」

今の時代、いつ死ぬかわからないなら好きなことをやってやろうと思う人や、コロナになっても重症化しないから今が楽しければいいと思う人が少なからずいるようです。
それはそれでいいのですが、でももはやそういうことの言えない世の中に変わっていっているみたいです。(「まさか私が?新型コロナ疑惑で自宅療養する35歳独身女性の日記」)
少しの思いやりと想像力が欲しいですね。

思い出に残り、捜してもらいたい料理はありませんが、流の作る料理を食べたいと思いながら読んでいます。
本当に美味しそうなんですもの。
そうそう、表紙の絵が変わったそうです。
どこが?と思う人は今までの表紙をごらん下さい。
流の娘のこいしの・・・。

南杏子 『いのちの停車場』2020/06/17



東京の救急救命センターで副センター長として働いていた白石咲和子は、62歳の時にあることの責任を取らされ、退職を余儀なくされる。
もともと年齢的に限界を感じていたこともあり、それほど迷いはなかった。
故郷の金沢には老いた父が一人で暮らしていたので、金沢に戻ることにした。

金沢に帰った日から「まほろば診療所」で訪問診療の医師として働き始める。
というのも古い知りあいの診療所医師である仙川徹が足を折ってしまい、まだ歩けず診察に行けないからだ。
救急救命センターの仕事と比べると、訪問診療は一日5軒で難しい手技もないはずだと軽く考えていたら、とんでもなかった。
老老介護、半身麻痺のIT社長、6歳の小児癌少女、膵臓癌の元厚生労働省統括審議官など、様々な背景を持った患者を診ることになる。

咲和子は、仙川を始め事務の玉置亮子、看護師の星野麻世、後から加わることになった退職原因の元バイト事務員・野呂聖二などのスタッフに支えられて訪問診療を続けていく。
しかし父親が骨折し、手術を受け、入院してしまう…。

終末期を迎える患者と寄り添う家族、それぞれに苦悩があります。
特に家族はどんな状態であろうが、生きていて欲しいと思うものです。
でもその人の命はその人のもの。
自分が患者だったら、患者の意思を尊重してもらいたいとは思うのですが、家族の思いを思うと、自分の意思を通せないこともありますよね。
咲和子は父親から「積極的安楽死」を頼まれます。
咲和子がくだした答えは・・・。

「庇護を求める弱き存在のために、自ら日陰を作って立つ―それが医療者というもんだ」(p.317)

仙川のあるべき医療者についての言葉です。

四谷三丁目さんの「医療の現場から」を読むと、コロナに関わっている医療者に逃げるという選択もありと言いたくなりました。
無理をしないで、命を大事にしてください。

矢崎在美 『出張料理人ぶたぶた』2020/06/18

ぶたぶたさんの新刊が出ていたので、ネットで買って読んでみました。
できればkindleで買えたらいいなぁ。

誕生日プレゼントのベッドで寝ていたお兄ちゃんとぶたぶたさんのぬいぐるみを一緒に撮ってみました。
かわいいおっさん同士でいいでしょ(笑)。


ぶたぶたさんはお料理を作っている姿が一番似合います。
なんといっても小さいピンクの豚(のおっさん)ですから。

どんな人の所へも参上し、何でもリクエストに応えて作ってくれるぶたぶたさん。
豚の生姜焼きとけんちん汁、ベーコンエッグと生サラダ、トマトソーズパスタ・・・。
何の変哲もないご飯が一番美味しいんです。
もっといいことにぶたぶたさんはご飯を作るだけではなく、掃除や洗濯もしてくれるのです。
ぶたぶたさん頼んだら、一時間いくらかしら?雇いたいです。

実はこの本、緊急事態宣言が出ている間に書いたそうです。
「妖精さん」はひょっとして医療従事者のお宅にぶたぶたさんが行ったのかしらと思いながら読んでいました。
後書きを読んでやっぱりと納得しました。

いつもと変わらないぶたぶたさんシリーズです。

この頃読んだ漫画2020/06/19



荒井ママレ 『アンサングシンデレラ 5』
ドラマで石原さとみが主人公の葵みどりを演じるようですが、コロナのせいでまだ放送していませんね。
そろそろ3年目になり薬剤師の仕事にも慣れてきた葵ですが、自分はこれからどんな薬剤師を目指していくのかを考える時期になりました。
仕事も小児科病棟と共に産科病棟も受け持つことになりました。

薬剤師にも新しい職能があるのですね。スポーツファーマシストといい、ドーピング防止関係に関わるようです。
薬は沢山あり、すべてを医師が知っているわけではないので、薬の専門家として薬剤師はこれから重要な役割を果たすようになっていくのでしょうね。

小池田マヤ 『老いた鷲でも若い鳥より優れている』
      『鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす』
      『カラスと書き物机はなぜ似てる』
      『仕事は狼ではなく森へは逃げない』
女と猫シリーズ。『女と猫は呼ばない時にやってくる』の続きです。
東京高円寺にあるお酒とサラダの店「呟木」の常連女性たち、ヒラリー、九(いちじく)さん、小鳥遊さん、新上さん、そしてヒラリーに片思いのオーナーシェフの銀さんのお話。
私は40代バツイチ編集者の九さんのお話(『鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす』)が一番好きです。
このシリーズ、おすすめです。

わたなべぽん 『さらに、やめてみた』
私は皮膚が弱いらしく、どんな靴を履いてもほぼ靴擦れができます。
スニーカーでも革によってはできます。
靴擦れができない靴があったらと何度思ったことか。
仕事をしなくなってからきちんとした服を着る必要がなくなりパンプスを履かなくなり、足は健康になっています。
ぽんさんのようにサンダルに執着していたわけではないですけど(笑)。
化粧ポーチも持たないし、アイロンは夫がしているし、無理な人付き合いも仕事をしなくなってからないし・・・。
なんかぽんさんの「やめてみた」ことは私には関係ないですわ。
私には「やってみた」が必要みたいです。

鳥飼茜 『サターンリターン 1~3』
鳥飼さんは『先生の白い嘘』を描いた人。私にはない感覚の持ち主だと思います。
漫画は手書きだそうです。

「30歳になるまでに死ぬ」と言い、本当に死んでいったアオイの死の謎を探っていく半場リタイア状態の小説家の加治理津子の話。
理津子みたいな女、なんか・・・嫌いです。

コナリミサト『凪のお暇 7』
終わってなかったのね。
凪のような女性、あまり好きじゃないので、忘れていたのね。
この巻でやっと凪は自分と母親の関係について考え始めました。
しっかりと自分の足で人生を歩んでいけるかしら?

古賀慶 『トレース 9』
科学捜査研究所研究員の真野礼二が追い続けていた「練馬一家殺人事件」の犯人が明らかになります。
しかし、壇浩輝は逃げてしまい、彼を逮捕するために新しくSFRができ、礼二はSFRに移ることになります。
どんな事件を扱うことになるのか。

高口里純 『グランマの憂鬱7』
若いママさんたちがシミができると日傘をさし、日焼け止めをつけ、手袋をはめるまでになります。
グランマはあきれて、「年を取るのが恐いのかね」と聞きます。
「年を取る事はなんも辛い事ありゃせんよ!?」「日々変わっていく自分を楽しむって事も大事だよ?」
若いママさんたちはどうする?

年を取ってもグランマのようにかくしゃくとした老婦人でありたいものですが、このままでいくと危ない老女になりそうです。

猪ノ谷言葉『ランウェイで笑って16』
低身長でありながらパリ・コレモデルを目指す藤戸千雪は東京ガールズコレクションに参加する。
周りは一流モデルばかり。
都村育人の作る変形バッグを片手に千雪はパリ・コレへと飛び立てるのか。

柴門ふみ 『恋する母たち6』
弁護士で不倫していた夫が職を無くし、妻は子供たちのために離婚に二の足を踏んでいる。
新しい仕事が上手く行き始めたというのに、夫のせいでそれも上手くいかなくなる。
彼女に夫と別れて一緒になろうと言ってくれる落語家がいるのだが、彼女が選んだ道は・・・。

こういう女性が本当にいるのかしら?私の周りにはいそうもないですわ。

桜井海 『おじさまと猫5』
ふくまるピンチ!
ペットショップにいた時に自分より先にもらわれていった黒猫が傷だらけの体でいたのを見て、心配になり探しに行きます。
が、迷ってしまい自分がどこにいるのかわからなくなっちゃいました。
おじさまたちはふくまるを探し周ります。
再度会えるのか。

悲しいお話でドキドキしながら読みました。
できればこういうお話よりも安心して読める、ほかほかしたお話をお願いします。

ジョージ朝倉 『ダンス・ダンス・ダンスール17』
潤平はYAPGの会場で憧れのダンサー、ブランコに会うが・・・。
彼と同じようにブランコに憧れるサシュコーは超絶技巧で、潤平に差をつける。
決勝はどうなるのか。

ダンス好きの少年が成長していく姿が楽しみ。YAPGで潤平は優勝できるかしら?

シリーズの新刊が出たら買わずにすませられず、早く終わってくれないかしらと思ってしまいます。
終わったら終わったで寂しいのですけどね。


トリミングに行く2020/06/20

犬たちの毛が伸びすぎで、特に顔がひどいことになっています。


弟犬はおじいさん風になっています。
夫が午前中仕事に出かけたので、私一人でトリミングに二匹を連れていかなければならなくなりました。
二匹を一緒にリードで連れていくのは大変なので、カートを利用することにしました。
カートに乗せると、兄犬は何故か吠え続け、弟犬はカートから乗り出して落ちそうになります。
暑いかもしれないけれど、チャックをしめて閉じ込めました。
いつも乗せていないので慣れていないのね(汗)。

トリミングのお店でカートを預かってくれたので、帰りにパン屋に寄りました。
三ヶ月(?)ぶりのパンです♫
小さなお店なので、店の中には3人までしか入れません。
私の後に来たのは母娘二人。最初に母親が入って来たのですが、その後、娘が入ってきて話を始めました。
店主さんの視線が二人に突き刺さります。ここの店主さん、恐いんです。
お金を払ったら、「そこの右側でお待ちください」と言われたと思ったので、前の女性が待っていたところに行こうとすると、「外で待ってて下さい」と言われ、「そこ」ではなく「外」と言われたのだと気づきました(恥)。


ついつい沢山買ってしまいました。昼とおやつと明日の朝用です。(結局夫に食べられてしまい、朝食用はなくなりました)
久しぶりのエビカツサンドは美味しかったです。

トリミングのお店まで犬たちをお迎えにいきました。
カートに弟を先に入れると、後から兄は乗ろうとはしません。
弟が嫌いなのよね(笑)。弟はしつこく兄に絡んでくるんですもの。
5月に7月分の予約をしようとしたら一ヶ月先の予約しかできなくなったと言われたのに、今日二ヶ月先まで予約できると掲示されていました。
聞いてみると3日前に決まったそうです。
7月の予約をしようとしたらいっぱいで、二匹同時にできるのは8月までありません。
暑い最中、またボサボサのままでいなければならないようです。

トリミング後の兄。


いつもはぐったりしているのに、元気そうです。


玄関から部屋に連れて行こうと左側に兄、右側に弟を抱こうとすると、弟も左側に来てしまい大変でした。
左側が好きなのかしら?


新しいベッドでくつろぐ兄。


目やには少なくなったのですが、お口周りが汚いですね。
二匹共に元気そうだったのですが、こっそり覗いてみると・・・。


おねむでした。
この後、私に覗かれたのが嫌だったらしく・・・。


中に潜り込んでいました。
今日新しいベッドを買って置いておいたのですが、潜り込めないのがいやみたいで無視されたので、兄のお古を置いてみました。
そうすると早速その上で寝ていました。
結局新しいベッドは兄の元へ。兄は誕生日プレゼントに引き続き新しいベッドを手にいれました。


でも一番落ち着くのがキャリーのハウスのようです。

デボラ・クロンビー 『警視の謀略』2020/06/22



ジェマ・ジェイムズ&ダンカン・キンケイド・シリーズの新刊。
1冊ごとにメインがジェマとキンケイドで入れ替わっています。
今回はキンケイドがメイン。

キンケイドは育児休暇後にスコットランドヤードからホルボン署に異動になりました。左遷です。
理由は説明されず、直属の上司は急な家庭の事情で海外へ行ってしまいました。
自宅の住居を彼の妹から借りているので、彼女に何かあれば住めなくなってしまうのではないかとキンケイドは心配でした。
異動してから二週間以上も経ったのにホルボン署の仕事にはまだなじめません。
どうも部下たちに嫌われているようなのです。
そんな時にホルボン署の管轄のセント・パンクラス駅で爆破事件が起こります。

その日、セント・パンクラス駅ではマーチ・フェスティバルの皮切りとなるライブが開催されることになっていました。
ジェマの部下・メロディの恋人が歌うことになっており、メロディは歌を聞きに訪れていました。

爆発はプラカードを持っていた活動家の一人が使用した発煙筒が手榴弾にすりかえられていたために起こったものでした。
メロディとスコットランドヤードでコンビを組んでいた元部下のダグの助けを借り、キンケイドは爆発テロ事件の捜査を始めます。

一方、ジェマは12歳の少女のレイプ殺人事件を捜査しており、捜査はいきずまっていました。
それなのに子供たちは小屋にいた猫の親子を助けて欲しいと電話してきます。
友人の獣医の助けを借り、家で猫たちを保護したのですが、子供たちは猫を飼いたいようです。
飼えないことをどう納得させるのでしょうか。

事件が解決したかと思ったら、スコットランドヤードには何やらきな臭い謀略がありそうな感じです。
キンケイドがこれ以上深入りしてしまうと命の危険があるかもしれません。
ジェマたちの力をかりて、キンケイドは危機を乗り越えていけるのでしょうか。

宮部みゆき 『きたきた捕物帖』2020/06/23

宮部みゆきの新シリーズだそうです。
気づくのが遅く、図書館で予約しようと思ったら予約数が多かったので、あきらめて買いました。
新刊予約も冊数が決まっているので、よく選んで予約しなければなりません。
宮部みゆきのような人気作家は気づかないでいると、すぐに予約数は200を超えてしまい、いつ読めるのかわからなくなります。


舞台は江戸の深川。
三歳の時に母親とはぐれ文庫屋の千吉親分に拾われた北一は、住み込みで文庫の振り売りをして暮らしていました。
ところが千吉親分がふぐに中毒って急に死んでしまいます。
文庫屋は万作夫婦が引き継ぐことになりましたが、岡っ引きの跡目を継ぐ者がいません。
千吉の女房の松葉は目が悪く、子分とは関わりがなく暮らしていました。
万作の女房が阿漕な奴ですったもんだがありましたが、話し合いの末、松葉は文庫屋の看板料をもらい、その金で住まいを借りて女中と暮らすことになり、十六になった北一は当面は文庫売りを続け、親分が昵懇だった差配人の勘右衛門、通称・富勘が差配している富勘長屋に住むことになります。
北一はおかみさんの家に毎日顔を出すようにしました。
そうするとお風呂の焚き付けを頼まれ、お駄賃として夕ご飯が食べられることになりました。
実はおかみさん、目が悪いのですが耳が良い上に物事の本質を見抜く力があるのです。
北一が荷物を襷屋敷の青海新兵衛に預けたのを忘れているのを指摘したり、彼が関わることになった事件の解決に役立つ的確なアドバイスをしてくれますし、必要な時は前面に出て戦ってくれます。おかみさん、素敵です。
北一は千吉親分ならどう考えるか、どうするかと考えながら事件に向かっていきます。朴訥ですが誠実で素直な性格なので人に好かれ、助けてもらえるのです。
ひょっとして、千吉親分は今は跡目を継ぐ者はいないが、北一が育ったら・・・と思っていたのかもしれませんね。

題名が何故『きたきた捕物帖』なのか。
「きたさん」は北一は一人なのにと思ったかもしれませんが、第三話の「だんまり用心棒」に湯屋の釜焚きの喜多次が出てきます。
彼は不思議な子で、シリーズが進むうちに彼の隠された出自がわかってくるのではないでしょうか。
北一と喜多次のきたきたコンビ。
これからどんな活躍をしてくれるのか楽しみです。