中山七里 『毒島刑事最後の事件』2020/08/26

中山七里デビュー10周年記念12ヶ月連続新作企画、第七弾。


孤立無援、唯我独尊、傲慢で尊大、協調性ゼロ、組織人として不適格、一を話せば二十を返す饒舌家、皮肉を言わせれば日本一、毒舌に至っては天下一品、しかし勘と洞察力抜群、捜査手法は鉄壁、警視庁随一の検挙率を誇る。
だ~れだ。
そう、毒島真理で~す。

私この人、知っています!
彼の独特の笑い方、「うふ、うふふ、うふふふ・・・」で思い出しました。
シリーズ1作目の『作家刑事毒島』を読んでいました。
kindleで買って読んだけどブログに書くのを忘れたようです。
毒島は作家をしており、文壇絡みの事件を次々と解決していました。
毒島や作家たちの毒気に当てられ、書く気が失せたのかしら?
今回の本は2作目ですが、作家になる前、刑事をしていた頃のお話です。

毒島が関わる事件は4つ、①大手町連続射殺事件 ②出版社連続爆破事件 ③OL無差別暴行事件 ④連続復讐殺人事件です。
新人の犬養刑事のトレーナーが毒島刑事で、犬養刑事は使い勝手のいいわんことしてこき使われています(笑)。

どの事件にも黒幕として<教授>なる人物が関わっています。
<教授>は犯人達のsnsやブログなどにアクセスし、親身に話を聞き、殺人のヒントや知識をそれとなく与え、犯罪へと導いていたのです。
<教授>は人を巧みに繰るのが得意なんです。
最後の事件では高難度の「自分の繰り人形が別の繰り人形を繰れるように」仕込んでまでいるのです。

犯人の「弱みを徹底的について自我を崩壊させる」、これが毒島の手です。
どの犯人たちも糞みたいな自我の持ち主で、自分の不幸を他人や社会のせいにしまくりです。
そういう彼らを言葉で巧みにサンドバックのように叩いていく毒島にはあっぱれと言いたくはなりますが、彼のそばには寄りたくないですわぁ。
お友達には絶対なりたくありません。
上司の麻生さんには同情しちゃう。胃に穴があいてませんかぁ。

第三弾『毒島刑事の嘲笑』はもう連載が終わっているそうですので、出版事情はわかりませんが、そのうち刊行されるでしょう。
毒島がどのように進化しているのか、空恐ろしいですが、見てみたいです。

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