サラ・ヤーウッド・ラヴェット 『カラス殺人事件』 ― 2023/12/22
生態学博士ネル・ワード・シリーズの一作目。

ネル・ワードはコウモリを調査する生態学博士。
開発のため、イギリスの片田舎、クッキングディーンにある十五世紀に建てられた<マナー・ハウス・ファーム>付近の動植物の生態調査を頼まれる。
その一環として、彼女は古い地図に記されていたトンネルがコウモリの冬眠に適しているかどうかも調べる。
その時に<マナー・ハウス・ファーム>の女主人のソフィー・クロウズと会うことになっていたが、彼女は現れなかった。
二日後、ペンドルベリー警察の重大犯罪課のジェームズ・クラーク巡査部長とヴァル・ジョンソン警部がネルに会いに来る。
ソフィー・クロウズがトンネル内で殺されており、ちょうど彼女が殺されたと思わしき時間帯にネルがトンネル内にいたというのだ。
第一容疑者となったネルは同僚の生態学者アダムの協力のもと、専門知識を総動員して容疑を晴らそうとするが…。
題名が『カラス殺人事件』というので、ヒッチコックの映画「鳥」のように、何千羽ものカラスが人間を襲うのかと思い、覚悟(?)をしていましたが、杞憂に終わりました。
カラス(複数)は「crows」。そうです、殺されたソフィーさんの名字なんです。
心配してソンをしたわ。
(後書きにあるように、「a murder of crows」はイディオムで「カラスの群」のことだそうです)
それに気持ちの悪い場面は、しいていうと、これまた後書きに翻訳者が書いているようにミールワームの頭を爪切りばさみで切るぐらいしかありませんでした。
気にしないで読んで大丈夫ですよwww。
生態学者が出てくるので、専門色の濃いミステリかと思ったら、そうでもないです。
もちろん生態学に関することがミステリを解く鍵になっていますが、英語で「A completely gripping British Cozy mystery」と説明されているように、コージー・ミステリという面もあります。
ネルは過去の痛ましい出来事の後、人を信じられなくなり、自分の出自を隠しています。
同僚のアダムといい感じにはなっていますが、過去のことがトラウマとなり、一歩が踏み出せません。
そういうネルの気持ちが結構書かれています。
それに刑事のジェームズがネルに一目惚れをして悩んでいたりと、私にとってはどうでもいいんですがねww。
ネルのロマンスの相手じゃない二人の男性の方が魅力的で気になっているんですが、誰かは読んでみたらわかるでしょう。
私としてはロマンスのない、ガチなものが好きなんで、続けて読むかは微妙です。
イギリスでは四作目まで刊行されている人気のミステリだそう。
二作目でネルは幼馴染みの結婚式後に起る殺人事件に巻き込まれるようです。
刑事のジェームズは出てくるようですが、アダムはどうなのかしら?
一見、関係のなさそうな生態学と殺人事件がどう繋がるのか、気になります。
コメント
_ ろき ― 2023/12/23 05時19分48秒
_ coco ― 2023/12/23 13時39分47秒
ろきさん、ロマンス、いらないですよね。
第二弾ではイギリス貴族の豪華な結婚式の様子が描かれていそうです。
ちょっと興味があります。
第二弾ではイギリス貴族の豪華な結婚式の様子が描かれていそうです。
ちょっと興味があります。
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私もロマンスは要らないので、もういいかも。
カラスの大群は出てこないと聞いて安心しましたがww