碧野圭 『菜の花食堂のささやかな事件簿 人参は微笑む』2024/09/01

「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズの六作目。


「文旦とためらい」
館林優希は川島悟郎とデートをしているときに、偶然「文旦フェス」に行き当たる。そこにいた川島の大家の保田さんによると、この文旦は高地の農園から直接送って来たもので、食べ比べをしてもらうために試食販売をしているそうだ。
靖子先生も最初の頃、この文旦フェスを手伝っていたというが…。

翌日、同僚の佳奈が古本屋で靖子先生が若い女性向けに書いた『マドモワゼルのための洋食入門』という本を見つけてきた。
二人は先生が料理研究家として活躍していたことを知らなかった。
優希は先生からこのことを秘密にされていたことを悔しく思う。
そんな優希の気持ちを察し、料理教室の常連の村田と保田がランチタイムにやって来て、靖子先生に尋ねてくれる。

「筍の胸さわぎ」
小瀧は料理教室に遅れてやってくる。出掛ける前に犬の散歩をしていたら、今日にかぎって犬が古いアパートのところで動かなくなったという。
小瀧が初めての犬の反抗の理由を知りたいというので、優希は謎とか不思議なことの原因を突きとめるのが得意な靖子先生に相談してみることを勧める。

「ゴーヤは打たれ強い」
三十代半ばくらいの女性が靖子先生を訪ねてくる。
以前料理教室に通っていた牧から靖子先生を紹介されたという。
亡くなった母から珊瑚の指輪を譲ると言われていたのに、その指輪がどこを探しても見つからないというのだ。
話を聞いただけで靖子先生は見つけられるのか?

「疑惑のカレーライス」
優希は川島と野川まつりに行く。
西小学童を見守る会がカレーライスの店を出しているというので行ってみると、靖子先生も来ていた。
カレーを頼もうとすると、そこで手伝いをしていた奏太が急に気分が悪くなる。
役員の男性によると、三人が体調を崩して救急車で運ばれたという。
その人たちの共通点は西小学童を見守る会のカレーを食べたということだったが、奏太はカレーを食べていないという。
靖子先生は奏太からその日に食べたものを訊き、原因を探っていく。

「人参は微笑む」
靖子先生がコロナに罹る。優希も香奈も陰性だったので、四日間、お店は二人でどうにかすることにする。
四日目のランチタイムが終わるころに、ヒッピーのような男の客が入って来た。
男はオーナーはいるかどうか尋ね、コロナでいつ復帰できるかは分からないと聞くと、ランチをキャンセルして出ていった。
その晩、保田から電話があり、クリスマスイブの夜、六時から十名の予約で、料理は最初に全部出し、ガッツリしたものとレーズンの入った甘い人参サラダを出してもらいたいという。川島とのデートがダメになってガッカリする優希。
翌日、買い出しに出た優希は、川島が以前店に来てランチをキャンセルした男と一緒にいるのを見かける。
保田からのリクエストを聞いた靖子先生の様子が変だ。コロナで味覚がおかしくなったからか…。

最初と最後の短編は靖子先生の過去に関するお話です。
前にも書いたかもしれませんが、私は優希のことがあまり好きではありません。
彼女の家族のことが書かれていたかどうか覚えていませんが、あまりいい家族関係ではないみたいに思います。
なんか靖子先生べったりで、彼女のことを何でも知りたいという思いが強すぎて、
怖くなります。
彼女に村田さんが言います。「昔のことなんか知らなくても、人は仲良くしていられる。何もかも知らない方がいいこともあるからね」と。
もう少し大人になった方がいいですよ、優希さん。

本に出てくる文旦、知っていますか。
直系10㎝ほどの大きな柑橘で、ジューシーで美味しいフルーツです。
お店で売っていると思いますが、そうでもないのかな?
私は酸っぱいものが苦手で、柑橘類はめったに買わないので、売っているかどうかわかりません。誰かにもらって食べたのかもしれません。美味しかったことだけは覚えています。
二月か三月が旬らしいので、売っていたら買って食べてみて下さい。
文旦フェスティバルは三月に東京の世田谷区でやっているみたいです。
野川まつりは存在自体がないみたいです。
やっていたら、行きたかったです。

ヒッピーなんかが出てきて、びっくりしました。
碧野圭さんは65歳ですか。もっと若い方だと思っていました。
ヒッピーを知っている最後の世代になるのかな。
ヒッピーがなんのことか分からない人、本の中に詳しく書かれていますので、読んでみてください。

シリーズの一作目から載せておきます。
②『菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日』(2017年2月)
③『菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそかに香る』(2018年6月)
④『菜の花食堂のささやかな事件簿 裏切りのジャム』(2021年7月)
⑤『菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム』(2022年11月)
⑥『菜の花食堂のささやかな事件簿 人参は微笑む』(2024年8月)


サラーリ・ジェンティル 『ボストン図書館の推理作家』2024/09/02



オーストラリ在住の推理作家のハンナはアメリカのボストン在住の作家志望のレオとメールのやり取りをしている。
彼に彼女が書いているミステリ小説の原稿を読んでもらい、ボストンに関する情報や本に対する意見をもらっているのだ。(beta readersというらしい)

小説はボストン公共図書館の閲覧室で偶然隣り合わせに座った四人の男女が突然館内に響き渡る女性の悲鳴を聞いたことから始まる。
主人公はオーストラリアの新人作家、ウィニフレッド・キンケイド(フレディ)。
奨学金をもらい、ボストンに滞在し、ミステリ小説を書いている。
彼女が悲鳴をきっかけに知り合い、友人になるのは、ベストセラー作家のケイン・マクラウドと心理学専攻の学生のマリゴールド・アナスタス、法学専攻の学生のウィット・メターズの三人。

部屋に帰ったフレディはテレビで、ボストン図書館で若い女性の死体が発見されたことを知る。
殺された女性は地元のタブロイド紙で働いているキャロライン・パルフリー。

四人は悲鳴を聞いただけだったはずなのに、次第に事件に巻き込まれていく。

レオのメールとハンナの小説が交互に現れ、小説が進んで行くにしたがい、レオのメールが不穏な感じになっていくのが不気味です。
小説の中にもレオという登場人物がいるので、馬鹿な私はメールを書いてるレオと登場人物のレオと混同してしまいました。
それが作者の狙いかしら?

メールと小説の作中作という作りになっているのですが、小説の方があまり好きじゃありません。
今の二十代ぐらいの若者のことをよくは知りませんが、そんなに簡単に友だちになりますか?私にしたら、四人の間も不気味でした。
彼らはサイコパスか、ストーカーかww。

変わった作品でもあるので、興味を持った方は読んでみてください。
面白くなくても、私のせいにしないでね、笑。

植松三十里 『鹿鳴館の花は散らず』2024/09/04



「鹿鳴館の花」と讃えられた鍋島榮子(ながこ)の生涯を描いた小説。

鍋島榮子は安政二年(1855年)、鎌倉時代より続く公家の名家、廣橋胤保の娘として、京都御所周囲の公家屋敷で生まれる。
十四歳で明治維新を迎え、翌々年、岩倉具視の長男、具義(ともよし)に嫁ぐ。
具義は具視の妾腹の子で、幼い頃からかわいげがなく、皮肉屋だった。
興福寺にいたのを明治維新後、具視が還俗させ、東京に連れてきた。
具義は結婚してから一年も経たずに病気になり、榮子は明治十二年(1879年)に亡くなるまでの十年間、看病していた。

具視に勧められ、最後の佐賀藩主で侯爵、外交官だった鍋島直大と明治14年(1881年)に再婚する。
この頃、すでに鹿鳴館外交が計画されており、直大と榮子は夜会の主催や西洋流のもてなしを赴任先のローマで学ぶという使命を負っていた。
明治十五年(1882年)七月、榮子は日本に帰る。
鹿鳴館の開館四ヶ月前に、岩倉具視逝去。

幕末に結ばれた不平等条約の改正のため、榮子は岩倉具視の娘で戸田氏共に嫁いだ極子と共に「鹿鳴館の花」と賛えられるほど、外交面で活躍する。
しかし、治外法権撤廃の条件に対する反発と鹿鳴館の醜聞が絡み、改正案反対の声が日々増していき、外務大臣の井上聲が辞任し、条約改正案が白紙になる。
直大は外務省を去り、宮内省に勤めることにする。

明治二十一年(1888年)七月、磐梯山が大噴火して、大勢の怪我人が出る。
直大の父、鍋島直正に重用された旧佐賀藩士で日本赤十字社を設立した佐野常民が現地に向かうことを聞いた直大は、榮子に佐野といっしょに噴火の救護に行くように頼む。
榮子は佐野が篤志看護婦人会という支援団体を立ち上げるときに奔走し、幹事のひとりとなっていた。
結局、誘った幹事は誰一人として行かず、榮子だけが行くことになる。
この時、榮子は佐野から直大の東北に対する思いを知らされる。

会津若松に行き、専門性の高い看護婦の必要性を強く感じた榮子は、看護学校開校のために奔走する。
榮子は思う。「意識していなかったものの、ここまで来た背景には、前夫の看病の日々が影響していたのは疑いない。自分は来るべくして、ここに来たのだ」

その後、榮子は、日清・日露戦争を経て、清王朝との交流や、中国人女子留学生の受け入れなどに尽力し、ロシア革命の影響で難民になったポーランドの子どもを助けるために奮闘する。

本の中で印象的だったところがあります。
榮子が「戦争のたびに看護婦を出して。軍人は、それが当たり前のような顔をして。いつのまにか私は、自分が戦争を後押ししてきたような、そんな気がしてしまうのです」と言うと、直大が「歴史が、どんな判断をくだそうとも、鍋島榮子のしてきたことは正しいんだ」というところです。
このように榮子のしてきたことを全肯定してくれる直大は人間として器の大きい人ですね。
極子の件で二人の間が危なくなっても、最後には互いに尊重しあえる関係になるなんて、羨ましいです。

この頃の女性は、本にも出てきますが、津田梅子や大山捨松、新島八重など魅力的な方々がいます。
鍋島榮子のことは知りませんでしたが、この本を読んで、彼女もこれらの女性たちの仲間に加わりました。

そういえば日本赤十字社の名誉総裁が皇后なのは何故かと思っていましたが、本を読んでわかりました。
西南戦争のときに佐野常民が赤十字の精神で敵味の区別なく負傷者を助けたいと新政府軍の有栖川宮に直訴し、認可を得、明治10年(1877年)に博愛者を設立します。
すると有栖川宮の口添えで、天皇家から下賜金があり、各宮家からの寄付も続き、博愛者の顔になる総長に東伏見宮を迎えたそうです。
この時に皇族との関係ができたのですね。
そして明治十六年(1883年)から毎年、美子皇后から下賜金が約束され、平時にも余裕を持って活動できるようになったそうです。
この後、美子皇后は病院の建設費と設備費までも寄せて下さったそうです。
理知的と評判だったそうですが、誠に先見の明のある皇后様だったのですね。

鍋島榮子の写真が本の表紙になっていたので、載せておきます。


品のある綺麗な人ですね。
前半は鹿鳴館、後半は日本赤十字社で活躍する榮子のことが描かれています。
鹿鳴館での夢が破れても、日本赤十字社で花を咲かせる、「ノブレス・オブリージュ」そのものの女性です。

堂場瞬一 『昨日への誓い 警視庁総合支援課3』2024/09/05

最近、物書きで亡くなる方が多いですね。
その中でも、詩人の新川和江さんの「わたしを束ねないで」と佐々涼子さんの『エンド・オブ・ライフ』と『エンジェルフライト』がお勧めです。
是非、読んでみて下さい。


警視庁総合支援課の柿谷晶は斎木道男の妹、清水直子からの電話を受ける。
斎木が亡くなったという。
斎木は支援課が扱う初めての被害者家族で、彼の娘の事件が支援課のベースを作ったのだ。

斎場には斎木とずっと連絡を取り合っていたという元支援課スタッフで警察OBの大岡が来ていなかった。そのことに違和感を感じる晶。
大岡と連絡が取れないということを聞き、気になると放っておけない晶は、休日を潰して御殿場まで大岡に会いに行く。

大岡とは会え、連絡がつかなかったのは、携帯を変えたからだとわかる。
しかし、大岡は斎木と会っていないと嘘をつく。
彼の嘘が気になった晶は、翌日、再度大岡に会いに行く。
すると、大岡の妻、美智から大岡がいなくなったと言われる。

大岡が最後に勤務していた世田谷南署の知り合いによると、彼は所轄で何か独自に調査をしていたという。
支援課の仕事をしつつ、晶は大岡の嘘を追及するために、彼を探し始める。

チャレンジ系YouTuberなどという人が出てきました。
正義感から犯人を追いかけたとか言っていますが、そうじゃないでしょう。
ネタになるから追いかけたんでしょうと言いたくなります。
もう迷惑系YouTuberと名前を変えた方がいいようですねww。

相変わらずの晶ちゃんです。
気になると放っておけないんですって。お節介ですね。
何を言っても受け付けないので、支援課の仲間は彼女の行いにドキドキしながら、見守っています。
このまま一人で突っ走っていくなら、独りよがりになってしまい、被害者家族にも加害者家族にも相手にされなくなってしまいますよ。
支援課内にも支援しないといけない人がいますか。
支援課のみなさん、大変ですね。

良いことがありました。
村野が愛と結婚し、支援課に戻って来ています。
村野が晶のストッパーになるのかな?

今回は大友は言葉でしか現れず、ガンさんがちょこっと登場します。
晶のことが嫌いと言いながら読んでしまう私はなんなんでしょうね、笑。

「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ
①『壊れる心』(2014年8月)
②『邪心』(2015年10月)
③『二度泣いた少女』(2016年8月)
④『身代わりの空』(2017年8月)
⑤『影の守護者』(2018年8月)
⑥『不信の鎖』(2019年8月)
⑦『空白の家族』(2020年8月)
⑧『チェンジ』(2021年8月)

「警視庁総合支援課」シリーズ
①『過ちの絆』(2022年8月)
②『最後の光』(2023年8月)
③『昨日への誓い』(2024年8月)

「チャイコフスキーの妻」を観る2024/09/06

「ボレロ 永遠の旋律」はラヴェルの生涯を描いた映画で、音楽が素晴らしかったので、この映画もチャイコフスキーが妻に振り回されつつも、素晴らしい曲を書いていく様子が描かれていると思って観に行きました。
ところがとんでもありませんでした。主人公はあくまでも、チャイコフスキーの妻なんです。
よく映画の内容を調べてから観に行けばよかったと思いましたww。


ピョートル・チャイコフスキーがピアノを演奏している姿を見て、アントニーナは恋に落ちる。
おばに音楽院に行きたいからと、チャイコフスキーに紹介してもらうが、彼は冷たく、女は結婚した方がいいと言い放ち、帰って行く。

アントニーナは音楽院に入るが、チャイコフスキーに近づけない。
そのため彼女は熱烈なラブレターを書く。
ラブレターを読んだピョートルはアントニーナに会いに来て、彼女の気持ちに応えられないと言う。
しかし、アントニーナは諦めない。
またラブレターを書く。
よせばいいのに、ピョートルはまたアントニーナに会いに来る。
そして、自分は女を一度も愛したことがないと告白し、それでもいいならと結婚を申し込む。
アントニーナは有頂天になり、結婚を承諾する。

結婚式もその後の食事会もお通夜のようだと妹に言われるが、アントニーナは気にしない。
自分はピョートルを愛しているし、ピョートルも自分を愛してくれていると思い込んでいるのだ。
しかし、ピョートルは結婚してもアントニーナと同衾しようとはしない。
酒に酔ったり、お腹が痛いなどと言ってはぐらかしているのだ。
ある日、アントニーナはピョートルの部屋に押し入るが、ピョートルに拒絶されてしまう。
それ以降、ピョートルは仕事だと言って、家を出て行き、帰って来なくなる。

弁護士が来て、離婚を勧められる。
しかし、アントニーナは断る。
彼女は頑としてピョートルと自分は愛し合っていると言うのだった…。

見ているといたたまれなくなる映画です。
アントニーナが何故「チャイコフスキーの妻」であることにあれほど固執するのか。この時代の女性の地位と何か関係があるのでしょうか。
それとも彼女の性格なのでしょうか。

ピョートルも同性愛者であることがバレているにもかかわらず、世間体のために結婚しますが、相手が悪すぎですよ。人を見る目がなかったんですね。
結婚生活は数週間(?)で破綻し、彼は自殺を図ったりしたらしいですが、この頃に「白鳥の湖」や「オネーギン」を作曲しています。
精神的に追い詰められても、作曲だけはやるという、結構タフな人ではないですか。
妻とは上手く行かなくても、別のところではラブラブだったのかもしれませんね。

私は脳天気にもチャイコフスキーの三大バレエ音楽が流れてくるのを期待していましたが、見事に裏切られました。「白鳥の湖」はちょこっと流れましたがww。
壊れていく女性を見るのは辛いです。
そういうのに耐えきれる方はどうぞ観に行って下さい。

トリミングに行く♡2024/09/07

暑い中、トリミングに行ってきました。
兄犬はこの頃、肩のところの毛が白くなってきて、天使の羽のようになってきています。
トリマーさんによると、12歳のわりに毛は白くなっていないそうです。
ヨーキーの弟は若い頃は真っ黒だったのに、今は背中の毛が白いです。
人間もそうですが犬も老いからは逃れられません。


背中を写していないので、わかりませんね。肩のところが白くなっています。


今日買ってきた鳥のささみのおやつが気になり、ジッと見ています。


ママが写すと、ちゃんと耳をあげて笑っているのですが、今日もいただいた写真では耳を伏せて床に張り付いていますww。


兄を押しのけて、おやつに向かうヨーキー。変顔です、笑。


おやつをもらうためには何だってします。


「ママ、こいつ、ママにこびをうってるよ」by 兄わんこ


「ママ、ぼくってかわいいでしょ」by ヨーキー
「ママ、はやくおやつをください」by 兄わんこ


とうとう我慢ができなくなった兄が弟を押しのけて前に出てきちゃいましたww。

獣医さんが忙しかったので、体重を測ってもらえず、何㎏かわかりませんが、たぶん二匹共に3.3㎏前後でしょう。
兄の動作が緩慢になってきたのが気になりますが、散歩に行くと活発に歩きますし、他の犬に吠える声も前と同じなので、まだまだ元気なようです。
長生きしてね。

堂場瞬一 『鷹の飛翔』2024/09/08

シリーズ物だと知らずに読んでしまいました。
『鷹の系譜』と『鷹の惑い』の次の作品でしたが、これだけ読んでも全く問題ありませんでした。
もっと言えば、『焦土の刑事』と『動乱の刑事』、『沃野の刑事』から続いているようなので、本来ならこちらから読まなければならなかったみたいですww。


東日本大震災の翌年、2012年の夏、都内で四件の殺人事件が起る。
四人の被害者は全員、元革連協活動家で、四半世紀前の六本木飛翔弾事件の容疑者だった。
殺害方法がバラバラで、四人のつながりは一切見つかっていない。
同一犯の犯行なのか。それとも別個の事件なのか。
公安の中で捜査線上に上がってきたのは、革連協の元活動家で、唯一六本木飛翔弾事件で逮捕され、実刑判決を受けた八田将道。
同行確認はしていたが、怪しいところはなく、アリバイが成立している。

目黒中央署の管内で四件目の殺人事件が起ったため、特捜本部が立つ。
署長の海老沢は元公安。本来なら公安がやるべき事件だと思っていたが、捜査一課が乗り出してくる。
捜査一課は公安一課との協力を考えるが、捜査一課には根深い公安に対する不信感がある。

定年を翌年に迎える、海老沢と捜査一課理事官の高峯。
二人はそれぞれ家庭や健康に懸念があるが、協力して最後の戦いに挑む。

ミステリというよりも、定年を控えている男性はどう生きるべきかということを書いているようです。
60歳前後の男性になら、こういうお話がピッタリくるでしょう。
是非、『焦土の刑事』からお読み下さい。


<今日のコーヒー>
イギリスに住んでいる方がブログに書いていました。
イギリス人はコスタコーヒーがダントツ好きなのだそうです。
そんなコスタコーヒーはどんな味なのか知りたいなと思い行ってみました。


アイスカフェオレのMサイズとクロワッサン、サーモンとアボカドサンド。
これで1900円ぐらいで、Mサイズのアイスラテが550円。ちょっとスタバよりも高いかな。
スタバとコスタのアイスラテを飲んでみてわかったのが、スタバの方がミルクが濃厚で、あっさりしたカフェラテを飲みたかったらコスタですね。

イギリスのコーヒーチェーンならカフェネロのコーヒーが美味しいと聞いているので、日本に進出してくれないかしら。

ドラマ「ペンションメッツァ」を観る2024/09/09

Amazon Prime Videoのお勧めにあったドラマで小林聡美が主人公のドラマを観てみました。
わたしは結構小林さんの出ているドラマが好きかも。
もともとはWOWWOWのオリジナルドラマで2021年1月に放映されたそうです。


「メッツァ」とはフィンランド語で「metsä」、「森」のことです。
舞台は長野の別荘地のカラマツ林に建つ1軒のペンションで、客室は一室のみ。
森崎天子(テンコ、小林聡美)という女性がペンションを経営しています。
ドラマの中に森の人という不思議な女性が現れます。子どもは不気味と思うらしいですが、見たらすぐに誰かわかりますので、ここには書きません。

「第一話 森の紳士」(常木:別所広司)
テンコが庭の手入れをしていると、木の茂みの中から男が現れる。泊まる宿を探しているというので、テンコは自分のペンションに誘う。男は荷物も何も持っていない。名は常田で東京に住んでいると書いてはいたが、彼は一体誰なのだ?

「第二話 ひとりになりたい」(ミツエ:石橋静河、小川:ベンガル)
ミツエがソロキャンをやろうと思ってキャンプ場に行くと、ウザいオヤジがいたので、別のキャンプ場を探そうと歩いていると、テンコと出会う。
キャンプ場は隣町まで行かなければならないので、テンコは自分のペンションに泊まらないかと誘う。
ペンションの部屋にテントを張り、酒を呑み楽しむ二人。

「第三話 燃す」(フキ:板谷由夏)
様々な土地に行っては写真を撮っているカメラマンのフキが久しぶりにやって来る。彼女がペンションに置いている写真のポジが溜まったので、二人は庭で燃やす。

「第四話 道半場」(ソウマ:伊藤健太郎)
捜し物をしているテンコ。そこに自転車で通りかかった青年が水を求める。
青年は飲みながら泣き出す。その日は大変なことばかりあったそうだ。
自転車がパンクし、携帯をなくし、地図がないのに探しまわっていたら迷子になり、テンコのペンションに辿り着いたらしい。
ペンションに泊まりたいというので、泊めてやる。

「第五話 ヤマビコの休日」(ヤマビコ:山中崇)
お散歩をしていたテンコはヤマビコストアーのヤマビコに偶然出会う。休日なので、古墳まで行ってきたそうだ。一緒に地元で有名な湧水場まで水汲みに行く。
帰りはヤマビコが車で送ってくれた。
お礼にテンコはヤマビコをお茶に誘う。
その流れで、テラスでお酒を飲み、この土地にやって来た理由などを語りあう。

「第六話 むかしの男」(コマちゃん:光石研)
テンコの元カレのコマちゃんが急にやって来る。コマちゃんは昔と変わりなく、いい人だ。コーヒーを入れるのが上手く、楽しく歌やダンスができる人だ。
懐かしい昔のことを話す二人だが…。

「第七話 さすらう」(ヤマメ:三浦透子)
母親とペンションによく来ていたヤマメがスイカを持ってやって来る。
一緒に料理をし、食べた後に、ヤマメの持って来たスイカを食べていると、急にテンコが言う。
「ヤマメさん、ここに住まない」

ペンションに泊まったことがないので、どんなお料理が出てくるのか知りませんが、テンコが作るのは、ハンバークや焼き肉、チキンソテー、手巻き寿司、カレー、焼きそばなど普通のお料理です。それがとても美味しそうに見えます。
長野で育った野菜も肉も、ここらで売っているものよりも断然おいしいでしょう。
冬は寒そうなので、遠慮しますが、それ以外の季節なら住んでみたいと思いました。

特に何かが起るというものではなく、テンコともう一人の登場人物との会話だけのドラマですが、何故か癒やされます。
森と木をふんだんに使った家や音楽が心地いいんです。

空飛び猫」 大貫妙子

エンディングの久しぶりに聴いた大貫さんの澄んだ声が毎回心に染みます。
ドラマ中に流れるピアノ曲もいいですよ。
予告編があったので、載せておきます。


「かもめ食堂」や「めがね」、「パンとスープとネコ日和」などが好きな方は大丈夫。すぐにこの世界に入り込めるでしょう。
この頃、疲れた、何かイライラする、どこかに行ってしまいたい、なんて思っている方もこのドラマを観て下さい。
役所さんが可愛く見え、おいしい朝食を逃して可哀想とか思えたり、部屋の中でテントを張って寝たくなるし、フキさんのビールの飲みっぷりを見ると、ビールを飲みたくなりますよ。入れ方が雑で、泡がいっぱいですけどねw。
それに、テラスでチーズを肴にワインが飲みたくなるし、「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌って踊りたくなります。
わたしだけかもしれませんけどね、笑。

ドラマ「0.5の男」を観る2024/09/10

このドラマもAmazon Prime Videoのお勧めに出ていました。
題名の「0.5の男」って何だろうと思って見始めると、面白くて、最後まで観てしまいました。


「第一話 家族以外と話す」
立花雅治は実家で引き籠もりをしている40歳の男。
両親は彼を隣で見守るという立場を取っている。
Q太郎というハンドル名でオンラインゲームをしており、ゲーム界のカリスマとまで言われている。
ある日、起きると母からのメモがある。
そこには家を二世帯住宅に建て替えると書いてあった。
妹の沙織は好き勝手なことを言い、雅治を擁護する両親となかなか話が合わない。
結局、「2.5世帯住宅」を建てることになる。「0.5」とは雅治のことだ。

無事に家は建つが、同居すると、仕事を始めた沙織には家事をするように、中学生になった姪の恵麻には「キモい」と言われ、家に居づらい雰囲気が漂う。

「第二話 昼に外へ出かける」
五歳になる甥の連が保育園に行きたがらなくなる。出てくるご飯がベチャベチャで嫌だそうだ。毎朝、一騒動が起る。
そんな時に母親の恵子が足を怪我してしまう。そのため雅治は保育園に行かずに家にいる蓮と遊ぶようになり、気に入られる。
姪の恵麻は新しい学校に馴染めず、早退を繰り返すようになる。

「第三話 電動自転車に乗る」
雅治は蓮を電動自転車に乗せて、保育園の送り迎えをすることになり、保育士の瞳と話すようになる。
恵麻はオンラインゲームをやり始め、知らずにQ太郎こと雅治と接点を持つ。

「第四話 アイスをおごる」
雅治はオンラインゲームのオフ会に参加する。その中にハンドル名・玉虫がいて、彼は立花家の隣に住む鴨志田家の息子、智也であることがわかる。
ある日、保育園に蓮を迎えに行くと、ある男がいた。
雅治は蓮を連れずに家に帰り、部屋に閉じ籠もる。
雅治の尋常ではない様子を見た恵麻が蓮を迎えにいき、雅治の過去の話を聞いてしまう。
鴨志田家の息子が夜間に大暴れをし、止めに入った雅治の父親が腰を再度痛めてしまう。

「第五話 働く」
雅治はそろそろ一人で暮らそうかと考え始め、父親に言うが、まだしばらく一緒に暮らそうと言われる。
思い切って瞳に保育士になるにはどうすればいいのか尋ねる。
ある夜、恵麻からQ太郎にゲームをしようという連絡が入る。恵麻はあることからQ太郎が雅治だということを知ったという。
雅治、一歩を踏み出す。

登場人物たちがいいです。
主人公役の松田龍平は雅治役がピッタリでした。
彼の醸し出す引きこもりだけど真面目でいい人感がいいです。
ニュースで兵庫県知事のパワハラ問題が大きく取り上げられているので、特に印象に残ったのが、元上司との場面です。
子ども(恵麻)に雅治のことをベラベラ話したことも信じられませんが、自分を見て雅治が逃げ出したのにも関わらず、しつこく会いたがるところがすごく嫌でした。(恵麻と瞳、そんな奴に協力するなよな)
急に辞めた雅治をみんな心配しているよといいつつ、自分はパワハラで訴えられたので会社を辞めたと話します。
それなのに、「僕、そんなひどかった」とか聞くんですよ。
「はい」という雅治に「はっきり言うなぁ」と苦笑しますが、またパワハラですかぁ。「普通でした」と無理矢理言わせて、納得するなよな(怒)。    
お前のせいで心が病んで、会社に行けなくなったんだよと言えたら、どれほどいいか。この人のメンタルは兵庫県知事に似ているなと思いました。
した方は忘れるけど、された方は忘れないんですよ。
「誰かのせいとか、そういう感じではないです」なんていう雅治が痛々しいです。

母親役の風吹ジュンは、高齢女性の憧れです。何歳になっても可愛く、品があります。
子役もよかったです。
恵麻役の女の子、大きくなったら美人さんになりそう。
学校の場面はリアルにこういうことがあるのかなと、怖くなりました。
グループごとのダンスなんて、先生、恵麻ちゃんが仲間外れになっているのに気づいているわよね。それなのに放っておいて、早退が増えたから一応親に電話したのね。普通は一回目に早退させるときに親に電話しないのかな?
蓮役は最高でした。全く演技しているように見えません。孫に欲しいわ。
そうそう、ハウスメーカー「三島ハウジング」の営業マン役の河村を演じた井之脇海君は懐かしいですねぇ。「義母と娘のブルース」で見ただけなので、大きくなったなぁと思いました。

他にも色々と好きな場面とかおかしな(funnyな)場面とかあります。
とにかく面白かったので、興味のある方は観て下さい。
ほっこりするドラマです。

主題歌「たのしいひとり」 (このMVに猫型配膳ロボット『ベラボット』が登場         
              しています。かわいいです♡)
挿入歌「0.5の男

ドラマ「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」を観る2024/09/12

七月にフィンランドに行き、飛行機の座席がダウングレードされたのに、差額が返ってきていませんでしたが、やっと戻ってくるようです。
随分時間がかかりました。二つの航空会社が関わっているからでしょうか。

ANAでは来年一月からストックホルムへの直行便が始まるらしいです。
わたしはノルウェーの街並みが好きなので、ノルウェーに行きたいのですが、乗り換えが必要みたいなので、考え中です。

ドラマを観たい時期らしく、続けて観てしまいました。
佐々涼子原作のドラマです。
ドラマですから、原作とは違うところが多々あります。
ドラマが気にいった方は原作も読んでみて下さい。


<登場人物>
伊沢那美(米倉涼子):国際霊柩送還を執り行う会社「エンジェルハース」の社長
           で国際霊柩送還士。
           情の深さとパワーで信念を突き通す、シングルマザー。
高木凛子(松本穂香):「エンジェルハース」の新入社員。
           いい大学を出て、いい会社に就いたのに、仕事にやりがい  
           を感じられず、転職を三回もする。
           本人曰く、騙されて「エンジェルハース」に入った。
柊秀介(城田優):遺体処置のスペシャリスト。死体好きという変人だが、技術は
         一流。
矢野雄也(矢本悠馬):元ヤンの若手社員。ムードメーカー。
松山みのり(野呂佳代):手続き担当。噂好きのギャル風女性。
田ノ下貢(徳井優):霊柩車のドライバー。優しく癒やされる存在。
柏木史郎(遠藤憲一):「エンジェルハース」社の会長。
           見た目も言動もヤクザっぽい。何よりも金を優先する。

「エピソード1 スラムに散った夢」
マニラのギャングの抗争に巻き込まれ死亡した杉原陽平の遺体を引き取りに、陽平と絶縁状態だった両親がマニラに行く。しかし、遺体が地元のギャングに盗まれてしまう。那美と凛子が急遽現地に飛び、陽平の遺体探しをするが、陽平の父は勘当した息子の遺体はいらないと言う。

「エピソード2 テロに打ち砕かれた開発支援」
アフリカのムバダールのホテルで、外国人を狙った無差別銃撃テロが発生する。
日本人六名が犠牲になり、エンジェルハースに遺体搬送の依頼が来る。
那美たちは突然息子を亡くして唖然とする父親や、夫を失い天涯孤独の身となった妻、結婚目前の娘を亡くした両親たちと現地に赴く。
だが遺体の損傷が激しく、遺体の判別作業が難航し、現地にやって来た遺族に面会させられない。遺族たちの不満が爆発する。

「エピソード3 社葬vs食堂おかめ」
K-POPアイドルのコンサートを観るために韓国に来ていた女性が大動脈瘤破裂で亡くなる。台風のために飛行機が欠航し、遺体を日本に送ることができなくなるが、那美はなんとかフライトを確保する。
同じ頃、ソウルに来ていた紳士服オーナミの社長が急死する。このままでは葬儀に遺体が間に合わない。困った総務部長の井村は柏木に、総理大臣も葬式に来るのだから、何とかしてくれと泣きつく。
柏木は那美に大波の遺体送還を優先するように頼むが…。

「エピソード4 アニメに憧れたベトナム実習生」
縫製工場に勤めるベトナム人実習生、スアンが交通事故で死亡する。那美が車で遺体を引き取りに行くと、元同僚だという上田が現れ、スアンの遺体を奪って工場の車庫に立て籠もる。
一方、凛子たちは海外で亡くなった不倫カップルの遺体送還を担当する。
二人の関係を知っていた夫がそのことを相手の妻に話してしまう。
ショックを受けた妻は…。

「エピソード5 那美vs究極の悪女」
かつて二人の夫を保険金欲しさで殺したのではないかと疑われていたリリーが、三人目の結婚相手であるモロッコの大富豪・サリムと共に日本にやって来る。
サリムはホテルの浴槽で溺死し、リリーが殺したのではないかと疑われる。
悪態をつくリリーに違和感を覚える那美。

「エピソード6 母との最期の旅」
凛子の母、塔子がボリビアのモコモコという村で亡くなったと連絡が来る。
凛子は那美と一緒にボリビアに飛ぶ。
凛子は幼い頃からずっと塔子に愛されていないと思っていた。
余命短い塔子は一体何のためにボリビアまで行ったのか。

那美に対して最初は否定的だった凛子が、ご遺体や遺族に敬意を持って接する那美の姿に感銘を受け、人として成長していきます。
凛子は自分を愛してくれない母を求めてもがいていました。
最期に母の気持ちがわかって、なんとか彼女は歩みだせるのではないでしょうか。
凛子の母みたいなそういう女性もいるのよ。

米倉涼子さんには持病があるというのを聞いていました。
すごく痩せていました。一番体調の悪いころに撮ったのでしょうか。
エピソード1の最初の方で品のない言動をするので、見続けられるかどうか心配でしたが、後はそれほどではなかったので、大丈夫でした。
暗い内容だからコミカルな場面も欲しいと思ったのかもしれませんが、オーバーな演技はいらないです。ほどほどでお願いします。

謎解きのように、亡くなった方々の過去の様子が次々と明かされていきます。
それがリアリティがないとか、上手く行きすぎとか思うかもしれませんが、こうだろうと思っていたことがひっくり返され、ドラマの最後には感動を覚えます。

なお遺体の様子が映っていますので、苦手な人は注意して下さい。

『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』5分でわかる『エンジェルフライト
エンディングテーマ曲 「The VOICE