アーナルデュル・インドリダソン 『印』2022/06/01



だんだんと咲いてくる紫陽花。梅雨が近付いています。

ダイエットを始めて早六ヶ月。一応体重は2、3㎏ぐらい減りましたが、微々たるものです。
体脂肪はあまり減っていないので、ひょっとして筋肉が減っているのかしら。
ウォーキングだけでは脂肪は減りませんね。
すぐ疲れてしまうので、ウォーキングの時間は増やさずに、軽い筋トレを始めました。
これからは体力をつけるというよりも、体力温存を目標にするしかなさそうです。
健康相談は五月もありましたが、報告とおしゃべりという感じで、特にこれといった指導はありませんでした。


アイスランド・ミステリーの第六弾。


マリアという女性がシンクヴァトラ湖のほとりにあるサマーハウスで首をつっているのを発見される。
見つけたのはマリアの友人のカレンで、彼女はその日からサマーハウスを借りることになっていた。
状況から自殺とみなされた。
夫によると親密だった母親が数年前に亡くなり、マリアは母親の死を受け入れられず、長い間鬱状態だったという。

数日後、レイキャヴィック警察犯罪捜査官のエーレンデュルのところにカレンがやって来る。
カレンはマリアは自殺を絶対にしない人だと言い、エーレンデュルにカセットテープを渡し、聴いた後に電話をするように言って去って行く。
テープには降霊術師とマリアの会話が録音されていた。
エーレンデュルはマリアの死に微かな疑問を抱き、単独で関係者に話を訊きにいく。

その頃、エーレンデュルは三十年前に行方不明になった息子のことを聞くために定期的に署までやって来ていた老人と会う。
彼は肺に病気が見つかったので、もう会いに来れないかもしれないとエーレンデュルに告げる。
エーレンデュルは彼のためにもう一度事件を洗い直すことにする。

幼い時、弟が吹雪の中で行方不明になって以来、弟の手を離したことを悔やみ、弟を探し続けているエーレンデュルにとって失踪事件は特別なものなのです。
エーレンデュルは心を閉ざし、その時その時の事件にのめり込むことで、なんとか生きてきました。
それなのになんで結婚したのでしょうね。
エーレンデュルがそんな人ですから、ただ幸せな生活を望んだだけの妻との結婚生活は続かず、元妻のハットルドーラとは憎しみあうようになり、機能不全家庭で育った子どもたちは麻薬や酒に手を出し、危うい暮らしをしています。
娘のエヴァがエーレンデュルとハットルドーラの関係をよくしたいと思い、二人を会わせようとするのが健気で可哀想でした。
エーレンデュルと家族との関係も変化しています。
いい方へいくといいのですが。

関係者との何気ない会話から、事件解決の糸口が浮かび上がってくる過程が上手い作品です。
欧米のミステリーとは違う、荒涼とした大地を思わせる陰陰たるミステリーです。
実際のアイスランドは平和で、殺人事件は年に三件ほどだそうです。