大山淳子 『猫弁と幽霊屋敷』 ― 2022/06/18
猫弁シリーズ、第二シーズンの三作目。

猫弁ことお人好しの弁護士、百瀬太郎は婚約者である大福亜子との同居生活を始める。
しかし彼は仕事に没頭すると他のことを忘れてしまうタイプ。
今まで一人で暮らしていたので、なおさら人と一緒に暮らす上での決まり事がわからないのだ。
二人の生活は相変わらずすれ違うばかり。
そんな頃、新たな依頼人がやって来る。
二見弁護士から紹介された男性恐怖症の女性で、新宿区役所から電話があり、幽霊屋敷の件で相談があると言われたとのこと。
その後、封筒が届き、彼女名義の土地建物が近隣で問題になっていると書いてあったという。
百瀬はその依頼を引き受け、早速屋敷を見に行き、近所の人たちから話を聞く。
百瀬法律事務所の十七匹の猫たちは、獣医・柳まことに無理矢理帝王ホテルに連れられていかれ、「にゃんにゃんお見合いパーティ」に参加させられる。
帝王ホテルに隣接したペットホテルリッツはお見合いパーティに協力していた。
パーティ当日、黒ずくめの服装の男がリッツに泊まりたいといって来る。
断ると、見学させてくれと中に入り込み、ペットたちを人質(獣質?)にしてホテルにたてこもり、『猫ノオトシモノ』という大ヒットアニメ映画で主役の白猫ゆるりの声を担当した玉野みゅうを連れてこいと要求する。
まことからの電話で百瀬は「ペットホテルたてこもり事件」のことを知る。
幽霊屋敷とペットホテルたてこもり事件&その他で百瀬は大忙し。
なかなかいい言葉が散りばめられています。
「攻撃は弱い人間の自己防衛なんだ」
「男のペースはろくなもんじゃありません。戦争をおっぱじめるのは男ですからね。結婚は女のしきりで明暗が分れます」などなど。
なによりも人と動物、みんなの幸福を願う百瀬と周りの気持ちが合わさって、幸せな終わり方になっています。
「僕の大好きなあのヒトがちゃんと幸せだったらいいな」(by 『マイクロスパイ・アンサンブル』)の世界ですかね、笑。
なぜか私、最後で泣きそうになりました。
ほっこりするお話がお好きな方、どうぞ読んでください。
<今週のおやつ>
麻布昇月堂の一枚流し麻布あんみつ羊かん。

前にも買って美味しかったので、再度購入しました。
<今日のわんこ>
この頃ヨーキーの弟もよく寝るようになりました。
夫曰く、今朝〇〇ちが緩かったとのこと。
まだクーラーをつけていないので、暑さと湿気で身体が弱っているのかもしれません。

イギリスの犬ですから、日本の暑さには弱いみたいです。
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