帚木蓬生 『安楽病棟』 ― 2008/10/03

このところ帚木蓬生の本を続けて読んでいます。
今回の本は終末期医療のことです。
ある病院の痴呆病棟の患者の一人一人の人生をはじめに紹介し、その後に現在の状況を描くことによって、誰でも若いときがあったという当たり前のことでありながら、忘れられていることを思い出させられます。
初老とはいくつからだと思いますか?
本にでていたのですが、それは40歳からだと言うことです。
若いと思いますか?
私はなるほどと思いました。
30歳台はまだまだ若く、無理のできる時期です。
でも40歳からだんだんと自分の体力の限界を感じ始め、40代後半から病気が出てきます。
50台になると、親との別れがあります。
自分の老いを止めることは誰も出来ません。
この本にでてくる人達を笑うことはできないのです。
どう老いるのか。
そのことをそろそろ考えなくてはと思います。
オランダの安楽死についても書いてありました。
オランダでは「安楽死」とは言わずに、「ライフ・ターミネーティング(生命終結行為)」というのだそうです。
その方法として、致死的薬を与える、治療の副産物として生命を縮める、治療中止の3つがあります。
私は安楽死は病気にかかった人が自分の意志で決定するのだと思っていました。
ところが、そうでない場合が多いのです。
例えば重篤な障害を持った新生児や痴呆症患者なども対象になっているのです。
その上驚いたことに、親族の同意があってもなくても、医師に安楽死の最後の決定権があるのだそうです。
オランダの例では親が障害を持って生まれた新生児の治療をして欲しいと頼んでも、してくれない医師がいたそうです。
統計によると、オランダの全医師の半数が安楽死に関わった経験があり、年間の死亡数の四割が安楽死だそうです。
医師に判断されるということに、ひっかかります。
医師なら誰でも適切な判断ができると言えるでしょうか。
先天異常の新生児や昏睡患者、末期癌患者、重度痴呆患者などは生きる価値がないなどと言えるでしょうか。
本にでてくるどの患者も、生きている価値がないなどと言えるでしょうか。
「ケアすることで、自分がケアされる」と病棟の看護師が言っています。
人はみな老いるということを肝に銘じ、老いについて考えることが必要でしょう。
帚木蓬生の本を読みながら思うのですが、最後にミステリー色を出したがりますが、それが必要なのかどうか…。
淡々と痴呆病棟を書く小説であってもよいように思いますが。
まあ、少々不満はありますが、それ以上に色々と考えさせられる小説です。
今回の本は終末期医療のことです。
ある病院の痴呆病棟の患者の一人一人の人生をはじめに紹介し、その後に現在の状況を描くことによって、誰でも若いときがあったという当たり前のことでありながら、忘れられていることを思い出させられます。
初老とはいくつからだと思いますか?
本にでていたのですが、それは40歳からだと言うことです。
若いと思いますか?
私はなるほどと思いました。
30歳台はまだまだ若く、無理のできる時期です。
でも40歳からだんだんと自分の体力の限界を感じ始め、40代後半から病気が出てきます。
50台になると、親との別れがあります。
自分の老いを止めることは誰も出来ません。
この本にでてくる人達を笑うことはできないのです。
どう老いるのか。
そのことをそろそろ考えなくてはと思います。
オランダの安楽死についても書いてありました。
オランダでは「安楽死」とは言わずに、「ライフ・ターミネーティング(生命終結行為)」というのだそうです。
その方法として、致死的薬を与える、治療の副産物として生命を縮める、治療中止の3つがあります。
私は安楽死は病気にかかった人が自分の意志で決定するのだと思っていました。
ところが、そうでない場合が多いのです。
例えば重篤な障害を持った新生児や痴呆症患者なども対象になっているのです。
その上驚いたことに、親族の同意があってもなくても、医師に安楽死の最後の決定権があるのだそうです。
オランダの例では親が障害を持って生まれた新生児の治療をして欲しいと頼んでも、してくれない医師がいたそうです。
統計によると、オランダの全医師の半数が安楽死に関わった経験があり、年間の死亡数の四割が安楽死だそうです。
医師に判断されるということに、ひっかかります。
医師なら誰でも適切な判断ができると言えるでしょうか。
先天異常の新生児や昏睡患者、末期癌患者、重度痴呆患者などは生きる価値がないなどと言えるでしょうか。
本にでてくるどの患者も、生きている価値がないなどと言えるでしょうか。
「ケアすることで、自分がケアされる」と病棟の看護師が言っています。
人はみな老いるということを肝に銘じ、老いについて考えることが必要でしょう。
帚木蓬生の本を読みながら思うのですが、最後にミステリー色を出したがりますが、それが必要なのかどうか…。
淡々と痴呆病棟を書く小説であってもよいように思いますが。
まあ、少々不満はありますが、それ以上に色々と考えさせられる小説です。
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