中山七里 『ヒポクラテスの試練』 ― 2020/07/10
法医学ミステリー、ヒポクラテス・シリーズの第三弾。
10周年記念・12ヶ月連続刊行の6月の本です。
2月と3月の本は図書館の予約待ちです。

浦和医大法医学教室に城都大付属病院の内科医・南条がやって来た。
前日に搬送された前都議会議員の権藤の死に問題がありそうなので、解剖を引き受けてくれないかというのだ。
権藤は9ヶ月前に受けた健康診断では何も問題がなかったのに、肝臓がんで急死したという。
死因に疑問があるということで、浦和医大法医学教室の教授・光崎藤治郎は急遽埼玉県警の刑事・古手川を呼びつけ捜査をさせる。
権藤の甥が事故米を使って毒殺を目論んだ証拠があがるが、解剖してみると死因は肝臓がんではなく、感染症だった。
パンデミックの可能性があり、感染源を突き止めなければならない。
その5日後、同じ症状の患者が見つかるが、問い合わせをした前日に亡くなっていた。
この患者は都庁の職員で権藤とは関係がなさそうだった。
しかし、調べて行くと、何年か前に二人はアメリカへ視察旅行に行っていたことがわかる。
二人に同行した五人も判明したのだが、彼らは硬い口を開こうとはしない。
一体アメリカで何があったのか。
浦和医大法医学教室の新米助教・栂野真琴と准教授のイタリア系アメリカ人のキャッシーはアメリカに渡り、視察団が訪れたニューヨーク市検死局の助けを借り、感染源を探っていく。
今回は光崎教授が流石でした。医師とはこうあってもらいたいものです。
しかし、議員たちはクソッタレでした。日本の恥。なかなか口を割らないのもうなずけます。
視察団が行った場所のことを書いたら某国から難癖をつけられるのではないかと心配でしたが、杞憂でした。驚いたことに、本当にそんな場所があったんですね。
そこがNY市警に摘発されたという報道があったはずですが、全く覚えていません。
作家ってこういうことも覚えておいて、いつか使おうと思っているのかしら?
現代社会の病巣を描く、なかなかグロいお話でした。
<今日のわんこ>

マフィンを食べていると「ママちゃん、自分ばかり美味しいもの食べてないで、僕にもください」と兄犬が言ってきました。
兄犬はシニア用餌を食べなくなったので、半分、弟用の療養食を混ぜています。
弟の餌の方が美味しそうだと思ったのでしょう。
この頃はちゅーるをつけないと食べません。口の奢った犬です。

「ママ、僕は餌は何でも食べます。良い子だと褒めてください」
「ハイハイ、良い子ねぇ。足におしっこをつけないと、もっと良い子なんだけどねぇ」
「ママ、そういう褒め方は子供のやる気をそぎます。やめましょう」
弟に怒られてしまいました(恥)。
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