塔山郁 『薬なければ病なし 薬剤師・毒島花織の名推理』 ― 2024/07/15

「第一話 認知症と株券」
ホテルで働いているくるみが毒島に相談する。
彼女の祖母の認知症の症状が進んでおり、物取られ妄想が出てきた。
その祖母がくるみに株券をくれたという。父親はその株券を使い、いい老人ホームを探して祖母を入れようというが、くるみも母親も勝手に使っていいのかどうか迷っている。青年後見制度を使うことも考えているというのだ。
「第二話 眠れない男」
元警察官の星野栄一郎は不眠症に悩まされ、元同僚が通っていたクリニックに行く。久しぶりに医療機関にかかったので、今までとは違うことにことごとく不満をつのらせる。
どうめき薬局で待たされてイライラしたせいか毒島という苗字を見て意地悪を言ってしまう。しかし、冷静に対処する彼女と話しているうちに自分の態度を反省する。
毒島は彼と話していて、別の不眠症の原因があるかもしれないと思い、星野に薬を飲んで効き目がなければ医者と相談するようにアドバイスをする。
「第三話 はじめての介護」
青柳亮平は一緒に暮らし始めた祖母を骨粗しょう症の治療をしているクリニックに連れて行った。
新しいクリニックから出された薬を祖母が違うといい、飲みづらいとか飲むと嫌な気がする、前の薬がよかった、と毎日のように文句を言っている。
そのため診てくれた院長に薬を変えた理由を聞いてきてくれと母親に頼まれていた。
しかし、診察では飲み方が悪いのだろうとなり、結局同じ薬を処方されてしまう。どうめき薬局で毒島に祖母の話を訊いてもらうと…。
「第四話 誰にも言えない傷の物語」
毒島が公休の時に、娘が彼女にお世話になったと言って矢倉聡美がやってくる。
娘が右手の手首に包帯をしているのに気づき、リストカットをしているのかと心配したが、それは猫のかみ傷だった。それを聞いた毒島が彼女の娘にいいアドバイスをしたらしいいのだ。
「第五話 処方箋と闇バイト」
この頃、カラーコピーを使った偽造処方箋による医薬品の不正入手が増えている。
SNSで処方箋の変造や偽造のやり方や転売の方法などを事細かに教えており、それを参考に犯罪行為に手を染める子どももいる。
薬局が不正な処方箋を発見した時は、保健所や薬剤師会への情報提供と共に、最寄りの警察署に通報することも求められている。
くるみの交際相手で、作家志望の影山はフードデリバリーの仕事をしている。
ある部屋の住人に注文した品物を渡すと、知り合いに届け物をしてくれないかと頼まれ、紙袋と一緒に三千円を押しつけられる。
千夏は手軽なお金稼ぎをしようと、医薬品の転売をしようと思い、あるマンションに行く。
白いコートを着ている女性とフードデリバリーの男とエレベーターに乗っていると、エレベーターが途中で停止してしまう。地震があったらしい。
三人は作業員が来るまで閉じ込められることになる。
フードデリバリーの男は影山で白いコートの女は毒島だった。
二人は会ったことがあり、二人の話から毒島が薬剤師だとわかり、千夏はつい薬剤師は薬の転売に関わる仕事かと訊いてしまう。
「第六話 肝油ドロップとオブラート」
幼稚園児だった頃、家にあった肝油ドロップを食べたいばかりに、兄と俺はバレないように粉薬を飲むときに使う丸いオブラートを巻いて食べた。
ところが数ヶ月してからバレた。どうしてバレたのだろう。
この疑問を解いたのが毒島だった。
毒島さんがいい薬剤師なのは、患者さんの話を良く聞くからではないでしょうか。
わたしなんかは薬剤師さんとお話をすることなんかないですもの。
いつも、「お変りはないですか」、「ないです」で終わってますww。
そうそう、猫にひっかかれたら、本を読まない人もいると思いますので、載せておきます。
「猫の歯は鋭くて長いので、咬まれると細菌が筋肉の奥まで到達しやすい。軽症なら腫脹や疼痛で済むが、最悪の場合は敗血症を引き起こす危険もある」ということですので、傷の治りが悪くて、微熱が続いていたり、痛みが引かなくて腫れていたりしたら、すぐに皮膚科のクリニックに行って下さいね。
なかなか役に立つお話です。
しかし、毒島さんとホテルマンの水尾爽太との恋物語がなければないで、ちょっと残念でした。彼は新規開業するグループホテルのヘルプ要員として軽井沢に行っているそうです。
薬剤師・毒島花織の名推理シリーズの順番を載せておきます。
①『薬も過ぎれば毒となる』
②『甲の薬は乙の毒』
③『毒をもって毒を制す』
④『病は気から、死は薬から』
⑤『薬は毒ほど効かぬ』
⑥『薬なければ病なし』
櫻田智也 『六色の蛹』 ― 2024/07/16
魞沢泉シリーズの三作目。

「白が揺れた」
魞沢泉は寒那町の<地域おこし協力隊>が『山を生きる、山を食べる』と題して企画したイベントに出席する。
ワークショップの打ち上げを兼ねた懇親会に参加し、そこで知り合った町内の<名人>から<へぼ獲り>を習っていると、名人は途中でへぼが飛んで行ったのとは真逆の方向へ走っていってしまった。魞沢は唯一の教え『とにかく蜂を追え』を守って、蜂を追うと、鹿を撃ち殺したハンターの串呂と出会う。そこに緊急をしらせるホイッスルが鳴り響く。音のする方へ行ってみると、昨日のワークショップに参加していた三木本がいて、猟友会メンバーの梶川がうしろから胸を撃たれて倒れていたという。ホイッスルの音を聞いてやって来た名人が警察を呼びにいったらしい。
梶川は昨日のワークショップで二十五年前の誤射事件の話をし、腰からさげた白いタオルが誤射を誘発した可能性があると言っていたにも関わらず、腰から白いタオルをさげていた。違和感を覚える魞沢。
「赤の追想」
魞沢は花屋の黒板に『ミヤマクワガタ入荷しました』と書いてあるのを見て、花屋に入っていく。彼は勘違いをしたのだ。このミヤマクワガタは植物なのだ。自分の勘違いに気づいた魞沢は苗を買って帰ることにする。
花屋から出ようとすると、急に激しい雨が降り始める。外にある商品を中に入れるのを手伝った魞沢はお茶をすすめられ、花屋の店長、翠里と話をする羽目になる。
彼女から聞いた季節はずれのポインセチアを欲しがった少女の真意は?
「黒いレプリカ」
魞沢は北海道の宮雲市にある<噴火湾歴史センター>の作業員をしていた。
ある日、上輪山の工事現場で埋蔵物が出たという連絡が入る。現場に行ってみると、人の全身骨格の一部が露出していた。
八年前、調査部の田原という男がセンターから持ち出した土器を他人の土地に埋め、遺跡の捏造をしていたという事件があり、事件後しばらくして、田原は行方をくらましていた。
今回の出土も田原が埋めたものなのか?そして人骨は…。
「青い音」
魞沢は友人から誘われたコンサートに行く前に、ある店で没食子インクを見つけ買おうとした時にある男と出会う。
彼に誘われ、喫茶店に入り、話をしているうちに、彼は自分の生い立ちを話し始める。彼のミュージシャンで作曲もしていた父親が亡くなった部屋から楽譜が一枚なくなっていたというのだ。楽譜の行方を魞沢が推理する。
「黄色い山」
寒那町の名人が亡くなったという連絡を受け魞沢は駆けつける。
名人はお棺の中に自分が彫った仏像を納めて一緒に火葬して欲しいといい遺したという。名人が彫った仏像は他にもいくつかあるのに、なぜこの仏像なのか?
「緑の再会」
魞沢は墓参りの後に一度入ったことのある花屋に行く。彼は勘違いをしており、翠里というのは名前ではなく、苗字だった。花屋には店長の娘がいて、母はお寺の墓苑にいるという。それを聞いた魞沢は…。
今回の短編の題名は虫に関するものではなく、色になりました。
「白」のその後を描いたのが「黄色」で、「赤」のは「緑」です。
もやもやとしていたことがスッキリしました。
コミュ障の魞沢くんがよく寒那町で受け入れられましたね。
彼の勘違いの多さにびっくりしましたが、ご愛敬ですww。
題名に「蛹」を使った理由はあとがきに書いてありますので、ご覧下さい。
「赤の追想」に出てくる「ミヤマクワガタ(深山鍬形)」の花は「コトバンク」から頂きましたが、こんな花です。

高山植物で、可憐な花ですね。
「青い音」に出てくる「ピカシェットの家」が気になったので調べてみました。

墓守の男と彼の妻が暮らした家で、男が陶器やガラスの破片を拾い集めて貼り付けて自宅や庭を飾ったそうです。(「4travel.jp」から写真をいただきました)
なんとも美しい家です。
櫻田さんは北海道出身で、今は北海道江別市に住んでいるようです。
単行本はこのシリーズだけみたいです。
魞沢泉シリーズ
①『サーチライトと誘蛾灯』
②『蝉かえる』
③『六色の蛹』
弟わんこ、楽しむ♡ ― 2024/07/17
この頃、胃の調子が悪く、内視鏡検査をしてきました。
ところが、特に悪いところはない、加齢によるものじゃないと言われてしまいました(>o<)。
暑くなったので、冷たいものをゴクゴク飲んでいたのがダメだったのでしょうか。
そんなに食べてないのに胃もたれがしています。やっぱり加齢か…。
体重が1~2㎏減ったので、ダイエットになっていいですわ。
病気じゃないから痩せても安心、笑。
この調子でダイエット、頑張ります。
さて、うちのワンコたちですが、元気いっぱいです。
ママのようにお腹が痛くならないみたいで、快食快便です。
ヨーキー弟は外に散歩に行くと、すぐにへばってしまいますが、お家では走り回ります。
久しぶりにヨーキー弟の様子をご紹介いたしましょう。
アヒルさんで持ってこいをします。

口にくわえて持って来ます。

ペロペロ舐めています。

カメラに気づくと、笑顔をくれます。

一方、兄はソファーの上でおやつを待ちます。
おやつに対する熱い視線がすごいです。

何回も持ってこいをして疲れた弟は兄のベッドにアヒルちゃんを持って行ってしまいました。
取ってみろをしたいみたい。
追いかけるのが面倒なママはおやつの時間にします。

兄にばかりおやつは渡さないぞと弟がやって来ました。
髪の毛が乱れていますww。
わんこは人間よりも若いみたいです。
56歳のお父さん、走れますか?(ジョギングではないですよ)
エヴァ・ビョルク・アイイスドッティル 『軋み』 ― 2024/07/18
アイスランドのミステリで英語からの翻訳です。

エルマは恋人と別れたことをきっかけにして、レイキャヴィーク警察を辞め、故郷のアークラネスに戻り、アークラネス警察の犯罪捜査部の刑事として働き始める。
そんなある日、年齢が三十代から四十代の女性の死体がアークラネス灯台の麓の海岸で見つかる。
その数日後、パイロットの妻、エリーザベトが職場に病気で休むと電話を入れた後に行方不明になったと夫から届け出がある。
灯台の死体と同一人物だと思われた。
彼女は子供時代にアークラネスに住んでいたが、町を嫌い、町には絶対に行かなかったという。
嫌うには何か理由があったのか。それなのに何故アークラネスに行ったのか。
検視によると、彼女は車にはねられた後に発見現場まで運ばれたようだ。
エルマはエリーザベドの過去を探り始める。
アイルランド人は姓のない名前で表記されていて、多数は名前の後に父親の名を属格として、男の子の場合は「-son」、女の子の場合は「-dottir」をつけるそうです。
例えば、アイスランド首相のKatrĺn Jakobsdóttir(カトリーン・ヤコブスドッティル)は、名前がKatrĺn でJakobsdóttirはJakobsの娘という意味なのです。
ヤコブスドッティルは姓ではありませんので、正式にはカトリーンと呼ぶそうです。
他のアイスランドミステリを読んだはずなのに、気づきませんでした(恥)。
救いようのない話で、いかにも北欧らしいミステリと言っていいと思います。
小さな町の雰囲気が重苦しく、機能不全の家族、そして…この先は書きませんが、気持ちのいいものではありません。
傷心のエルマは気持ちに折り合いをつけることができるのでしょうか。
このシリーズはForbidden Icelandシリーズと言うようで、英語で五巻まで翻訳されています。
二巻目は『Girls Who Lie』でエルマは殺されたシングルマザーの過去に迫ります。
翻訳が待たれます。
リン・メッシーナ 『公爵さま、前代未聞です』 ― 2024/07/19
「行き遅れ令嬢の事件簿」シリーズの四作目。

叔父の家に居候しているベアトリス・ハイドクレアはケスグレイブ公爵と婚約する運びとなる。
周りのみんなはびっくり。というのも、公爵は身分も容姿も彼とピッタリのレディ・ヴィクトリアと婚約するとばかり思っていたからだ。
今まで寄っても来なかった人たちがやって来るようになる。
叔父さんとヴェラ叔母さんは自分たちの暮らしぶりが根底から覆され、余計な出費が増えることに思い至り不機嫌になる始末。
ある日、叔母さんが”公爵家の使用人リスト”に八人目の従僕を加えたとき、ベアトリスはほとほとうんざりし、家から逃げ出す。
気晴らしが必要だ。
前にレディ・アバクロンビーから調査依頼があったことを思い出し、彼女に会いに行くと、あきれられる。
しかし、ベアトリスは諦めない。探偵ごっこが趣味だと言い張り、二十年以上前の両親が殺害された事件の真相を明らかにすると決意表明をする。
レディ・アバクロンビーから聞かされた両親の秘密は意外なものだった。
父がケンブリッジの学友のピット首相の依頼で、スパイとしてイギリス連帯ギルトという商人たちの組織に侵入していたというのだ。
ベアトリスは公爵に内緒で調査を始める。
探偵ごっこが趣味とは、淑女にふさわしい趣味とは言えませんね。
それなのに、公爵は彼女のことを見守るだけで、今回は口出ししません。
公爵は学んだんですね。ベアトリスが一筋縄ではいかないことをww。
今回は自分の両親の死の謎に迫ります。
しかし、いつものように人騒がせにも、他人の屋敷の舞踏会の最中に騒動を起こしたので、彼女の評判は地に落ちたのではないかしら。
無事に結婚できるのか心配です。
五作目では、ベアトリスの宿敵、元ミス・ブロアムがやって来て、とんでもない騒動が起るようです。
読むのが楽しみです。
フィンランドに行ってきました♫ ― 2024/07/28
しばらくブログをお休みしていましたが、その間にフィンランドまで行って来ました。
この頃のお気に入りの北欧ミステリの現場とオーディという巨大な図書館を見たいということで行ってみました。

ヘルシンキに着いた次の日、虹が二重に出て、これだけで嬉しくなりました。
詳しい旅の様子は明日から書こうと思います。
しばらくお付き合い下さいませ。
帰ってすぐに、鰻を食べに行きましたが、並んでいて入れませんでした。
仕方ないので、久しぶりに中華料理のお店に行きました。

ビールとコウイカの辛み炒め。
久しぶりのビールは苦いww。

豚の角煮の上に、野沢菜やら何やらが乗っています。

涎れ鳥の冷たいおそば。
タレが一風変わったもので、好き嫌いが分れるかもしれません。
担々麺を食べ終わった夫に半分あげました。
日本なら軽くレストランに入れますが、海外では円安の影響で何も考えずにレストランには入れませんね。
来週あたりに、再度、鰻にチャレンジしますわww。
胃の調子が悪くなってから、食事の量が減ったらしく、旅行後、体重を測ってみると、少し痩せたみたいです。
この調子で痩せて行けたらいいのですけど、笑。
フィンランド旅行の前に ― 2024/07/29
今朝、6時に起き、二度寝をして目覚めると、13時。
アラ、フィンランドでは朝の7時ね。(フィンランドは時差がー6時間です)
時差ボケはしないと思っていたら、ちゃんとしています。
身体は正直ですねぇww。
ロシアとウクライナの戦争がなければ、フィンランドが一番近いヨーロッパで、9時間ぐらいで行けてたようです。
今回は12時間ちょっとかかりました。
フィンランドエアで予約し、プレミアムエコノミークラス席で行くはずでしたが、日航機便に変更され、その便にプレミアムエコノミークラス席がなかったため、普通のエコノミークラス席になりました。
エコノミークラス席でも十分ゆとりのある座席だったのでよかったのですが、ダウングレードされた差額がまだ戻っていません。
(予約をしたのが昨年の11月、プレミアムエコノミーではないのに気づいたのが今年の五月、フィンエアーは何も知らせてきていませんでした。電話をすると、フィンエアーで承認するのに一ヶ月、日航で一ヶ月かかるので、フィンランドに行く前の七月に差額が返金されると言われたのですが、九月上旬になるというのに、まだ戻って来ていません。問い合わせをすると、もう少し待ってくれと言われます。外国の航空会社はいい加減ですね)
旅行に行くために最初にしたのが、飛行機とホテルの予約です。
そして、わたしにとって次に大事だったのが、SIMフリーのiPhoneを買うことです。もちろん、一番安いSEにしました。
小さいので、旅行用バッグの中でどこにあるのかわからなくなりそうなので、チェーンをつけました。とても便利で、盗難予防にもなりますわww。
一応書いておきますが、日本で携帯を使う設定のまま海外で携帯を使うと、通信料金が高額になるそうです。詳しくは各携帯会社で訊くといいでしょう。
SIMカードを買うと安上がりですが、変えたカードをなくすこともあるので、わたしはeSIMにしました。
七日間で10GB、1300円ぐらい。SIMカードは千円以下だそうです。
使い方は簡単。
メールについいるQRコードを「モバイル通信→eSIMを追加→その他のオプション→QRコード使用」でスキャンするとすぐに使えるようになります。
スキャンをどうやってやるのかわからなかったので、友だちにメールで送り、友だちの携帯からQRコードを写させてもらいました(恥)。
次にしたのが、VR(国鉄)とHSL(ヘルシンキ公共交通)のアプリを入れることです。

この2つ、本当に便利です。
ヘルシンキ市内ではHSLを使います。これがあればどこからでもトラムとバス、地下鉄、そしてスオメリンナ島への船に乗れます。
フィンランド語とスウェーデン語の他に英語に対応しています。
アカウント登録をしてから使います。
英語などあまり分からない方は、今見つけたのですが、このブログを参考にしてみるといいかも。
ほとんどの観光場所にはABゾーン(2.95ユーロ)で行けます。(空港からはABCゾーンで4.10ユーロ)
トラムやバスなどを使う時間が分かっていれば、事前予約ができます。
しつこくあと何時間、何分で有効になりますよとお知らせしてくれます。
予約時間よりも前に使おうと思ったらNowボタンを押せばいいだけです。
80分以内なら何回でも使えるそうです。
中央駅以外では切符が買える場所がないので、このアプリを使いましょう。
ちなみにトラムやバスに4回以上乗る場合はデイチケット(9.00ユーロ)の方がお得です。もちろんアプリで買えます。
アプリを使うのが面倒な人や歩くのに自信がなく、トラムやバスで移動する予定の人は、何日間か有効のデイチケットを買えば、乗り放題になります。
デイティケットは中央駅の乗車券売り場や券売機で買えます。
改札がないので、買わなくてもいいや、なんて思わないで下さい。
帰国する前日、行き帰り2回も検札官に会いました。
切符を購入していないと、罰金を徴収され、現在の罰金は100ユーロ(約17000円)だそうです。高いわぁ。
検札官にチケットを見せるために、常に携帯が使える状態にしておかなければなりません。携帯が使えないと言い張ってもダメだそうです。
携帯のカメラなどをよく使う人はバッテリーを持ち歩きましょう。
わたしは用心してカメラを持っていき、携帯で写真をあまり撮らなかったので、バッテリーはいらなかったです。
最後に大事なのが、クレジットカードです。
わたしは今回現金を全く使いませんでした。
フィンランドではアメックスは使えないそうなので、VISAかMastercardがいいそうです。
わたしは大分前に北海道の空港で勧められて作ったMastercard付のJALカードを使いました。
使えないときがあるかもしれないので、VISAカードも持っていきました。
注意して欲しいのは、お知らせのメールが携帯に来るかどうかです。
わたしはパソコンと携帯で使用するメールを分けているので、カードのお知らせがどちらに来ているのか確かめました。
ネットで買い物をする時に来る「本人認証サービスのワンタイムパスワード」のメールが携帯に来るようにしました。
実際にVRでタンペレまでの長距離電車の切符を買うときにワンタイムパスワードがメールで来ましたよ。
この他にクレジットカードを使う時にはPINが必要なので、忘れた人はカード会社に訊きましょう。
PINとは「Personal Identification Number」すなわち「個人識別番号」のことです。
ネットでPINを訊くことができるのですが、頼む場所を探すのに少し時間がかかります。
ネットが得意でない人は電話で頼むといいかも。
ここまで書いたら、そろそろ夕食を作らなければならなくなりました。
起きたのが遅かったからですねぇ、笑。
旅行のことは明日からということでwww。
フィンランド旅行①ーヘルシンキ市内とパイプオルガン ― 2024/07/30
【第一日目】
フィンランドへの飛行機は夜の11時ぐらいに出発し、ヘルシンキに早朝5時頃着く便があります。
朝着いてすぐに活動するほどの元気がないので、日本を午前10時過ぎに出発するフィンエアに予約をしました。
ところが8時25分発のJAL便に変更になってしまいました。
朝が苦手なのに、家を五時過ぎに出なければなりません。
休日にもかかわらず、結構電車に人が乗っていて、驚きました。
仕事に行くのか、朝帰りなのか…?
空港は夏休みになったばかりなので、少し混んでいました。
アプリでオンラインチェックインをしていたので、自動手荷物預け機で荷物を預けます。
この時、バーコードをかざす場所がわからなかったり、バーコードをかざしてもなかなか読み取ってくれなかったりして焦りました。
FACE EXPRESSを使うために、顔情報を登録しようとしましたが、またバーコードをかざす所がわからず、やっと見つけてかざしてみても読み取ってもらえません。
他の人がどうやっているのかよく観察してからやってみると、見事成功ww。
バーコードはわたしには鬼門です。
バーコードやパスポートは下に向けましょうねww。
バーコードで苦労した以外は何事もなく、無事に搭乗でき、隣の席が空いていてラッキーでした。
窓からフィンエアのマリメッコ機体が見えました。

これに乗りたかったわ…。
機内では寝ないで映画を観まくりました。
観たのは「異人たち」、「アーサー・ザ・キング」、「バービー」、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」の4本です。
「異人たち」は見る時に注意が必要です。男同士の…があるんですもの。
機内食の味はまあまあで、量は男の人には少ないかも。
メインの食事ではチキンか豚肉かを選び、デザートはハーゲンダッツのアイス、軽食としてツナサンドをもらい、最後の食事は無印のバターチキンカレーでした。
カレーが一番美味しかったです。
ヘルシンキに15時40分に着く予定でしたが、15時10分ぐらいに着きました。
早くホテルに行けると思ったら、とんでもなかったです。
入国審査場まで遠くて、その上、入国審査に時間がかかり過ぎでした。
フィンランド国籍のある人はパスポートを機械にかざすだけでOKですが、それ以外の国籍の人は入国審査官に呼ばれるまで待っています。
呼ばれても、なかなか終わらないんですよ。何を質問しているんだか。
わたしの時は一人で旅行するのかとか、何日間いるのか、他の国に行かないのかなどということを訊かれ、すぐに終わりました。
若い審査官でしたが、英語が聞き取りにくくて困りました。
入国審査に時間がかかったので、荷物はすでに出ていました。
空港を歩いていると、犬がいました。
フィンランドって犬がOKの場所が沢山ありそうです。
ヘルシンキ中央駅の近くのホテルに滞在するので、電車で行くことにしましたが、駅までもが遠かった。東京の大江戸線みたい。
切符の買い方はVlogなどを見ていたので、迷わず買えました。
空港からヘルシンキ駅までABCゾーンで4.10ユーロです。
電車に乗ると、思わぬことが起りました。
行き先に「Helsingin rautatieasema」がないんです。
心配になって乗っている女性に英語で聞くと、この電車でいいと言われました。
でも、行き先が…。
ここで閃きました。電車の場合、中央駅は「Helsinki」なんですよ。
アナウンスで「Helsinki Central Station」って言ってました。
「Rautatieasema」はトラムや地下鉄の駅なんです。
後でこのことを話すと、友だちも迷ったそうです。
私たちだけがわからなかったのかしら?
ヘルシンキ中央駅に着いたのが五時過ぎ。
お腹がすくかもしれないと思いキオスクでヨーグルトとクロワッサンサンドを買いました。
カードを使うと、日本語で指示されましたが、キオスクと空港以外では日本語表示はでないようです。
ホテルの部屋はツインでバスタブのついている部屋です。
しかし、バスルームのシンクの排水が悪く、ちょっと心配。
友人はイギリスから来たのですが、夜の11時過ぎにホテルに着きました。
【第二日目】

ちょっと薄曇りの朝。中央駅付近に人はそれほどいません。
まず最初にアテネウム美術館に行きました。
2019年に国立西洋美術館で日本とフィンランドの外交関係樹立百周年記念として開催された「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」展で印象的だったヘレン・シャルフベックの絵があるということで、最初に行くことにしました。
入館料は22ユーロで、特別展のエーロ・ヤルネフェルト展にも入れます。
財布以外の荷物をロッカーに入れてしまい、後で困りました。
せめて携帯を持っていれば、好きな絵を写真で撮れたのに。
そんなわけで、この美術館の詳しい情報はこちらのブログでご覧下さい。
ヘレン・シャルフベックの絵は数点しかなく、それもあちこちにあるので、ウォーリーをさがせ!状態でしたww。
子どもたちを描いた絵が可愛くて、好きです。
エーロ・ヤルネフェルト展はそれほどの規模ではないだろうなんて思っていたら、とんでもなかったです。展示されている絵画が多すぎです。
彼の後期の風景画が気に入りました。さすが雪国の人。雪の描き方が上手いです。
腰が痛くなってきたので、最後の方の肖像画は飛ばしました。
友だちとの待ち合わせまで後10分というところで、足と腰にきたので見るのを諦めてカフェに入り、カプチーノ(4.90ユーロ)を飲みました。
初めてのフィンランドのカプチーノは美味しかったです。
カフェは美術学校時代には彫刻のギャラリーだったそうです。
美術館の後はエスプラナーディ公園へ。

銅像の頭の上にカモメがとまっています。
カモメは人の頭の上が好きなんでしょうか。

かわいいわんこがいました。オペラ座の怪人風なので、名付けて仮面わんこ。
この公園は小さいですが、芝生があるので、寝そべったり、ピクニックしたりするのがよさそうです。
ヘルシンキといったら、ヘルシンキ大聖堂でしょう。

雲が多いですが、雨は降りませんでした。
ここの階段を上るのは嫌でしたが、仕方なく上りました。
意外と上りやすく、筋肉痛にはなりそうもありません。(なりませんでしたよ)
実はこの階段を上らなくても、教会に行けます。
足が不自由な方は左側の通りから行ってみてください。
そうでない方は階段を上りましょうね。

階段上から見た元老院広場です。
教会の入り口に夜の7時からパイプオルガンのコンサートが開かれるというポスターがあったので、行ってみることにしました。
お腹が空いたので、マーケット広場とオールド・マーケットホールに向かいます。

海辺はいいですね。晴れてきました。

この船がスオメリンナ島へ行くのでしょうか。
マーケット広場にはベリー類や食べ物を売っている屋台のテントがあります。

日差しが強く、暑いので、オールド・マーケットホールに入ってみることにしました。
この中に食料品や食べ物を売っているお店が入っています。
サーモンやトナカイ肉なども売っています。
ちょうど真ん中にあるStoryというお店でサーモンスープランチ(16.90ユーロ)を食べることにしました。

たっぷりとたくさんのデルやサーモン、ジャガイモが入ったスープです。
これだけでお腹がいっぱいになりましたが、ちょっとわたしには塩辛かったです。
夜にパイプオルガンを聞きにいくので、エスプラナーディ公園に戻り、マリメッコなどのお店を覗いてから、デパートのストックマンとソコスの地下にあるスーパーを見学に行ったついでに夕食を買うことにしました。
そうそう、帽子を忘れたので、買いました。(しかし、最終日になくしてしまったのです(>o<)。馬鹿なわたし)

ストックマンではスーパーに行くまでの間にペットショップがあり、わんこたちに音のするおもちゃを買いました。フィンランド製ではなく、中国製でスウェーデンの会社のものです。

スーパーにサーモンのお寿司が売っています。大体12〜13ユーロぐらいでした。
醤油がついていませんが、このまま食べました。
カード決済では、フィンランド語、スウェーデン語、英語のどれでするかと聞かれます。
英語が3番なので3番を押すと、決済できないことが多いです。何故なのでしょうね。

少し休んで、パイプオルガンを聞くために、再度ヘルシンキ大聖堂に行きました。
道を間違えたおかげで、階段を上らずに行くことができましたww。
オルガニストは井上圭子という日本の方です。
<Program>
NICOLAS DE GRIGNY Récit de Tierce en taille
CÉSAR FRANCK Choral No.1 E-dur
THÉODORE DUBOIS Toccata
HARRI VIITANEN Images d'oiseau
LOUIS VIERNE Cathédrales ("Pièces de Fantasie")
Hymne au soleil ("Pièces de Fantasie")
10ユーロで1時間の演奏会でした。
「Images d'oiseau」という曲を作った作曲家のHARRI VIITANENさんが来ていました。
パイプオルガンの音色の多彩さが印象的なコンサートでした。鳥の鳴き声もオルガンで描けるんですよ。
夏のこの時期にはヘルシンキ市内のどこかの教会でパイプオルガンのコンサートがほぼ毎日開かれているようです。
興味のある方は是非行ってみて下さい。
前売り券を買わなくても、その場で入場券が買えます。もちろんカード払いもできます。
フィンランド旅行②ーマリメッコとスオメリンナ島 ― 2024/07/31
【第三日目】
月曜日は美術館などがやっていません。
そのため、どこに行くのか、迷いました。
マリメッコの本社は必ずやっているので、午前中に行って、有名(?)なランチを食べ、午後は世界遺産のスオメリンナ島へ行くことにしました。
地下鉄と船に乗るので、事前にHSLのアプリでディチケット(9ユーロ)を買っておきます。
マリメッコには地下鉄で行きます。
注意して欲しいのですが、地下鉄のRautatientori(中央駅)は消防設備工事のため6月3日から9月1日まで閉鎖されています。
西からのメトロはKamppi(カンピ)、東からのメトロはHelsingin Yliopisto(ヘルシンキ大学)が終点となり、両駅区間内はトラムで移動するか、歩くしかありません。
ホテルが中央駅に近いので、Helsingin Yliopistoまで歩いて行き、地下鉄に乗りました。
入り口がお店っぽかったので、ここから入っていいのかどうか迷っていると、そこにいた男性が教えてくれました。ありがとう。

今回は行き先を間違えることはないのですが、行き先の最終駅が書いてある電車に乗りましょう。
マリメッコ本社に行くには、Herttoniemi(ヘルットニエミ)駅で降ります。
フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語なので、必ずこの2つの駅名が書いてあります。
二言語で地名や駅名が全く違いますので、注意して下さい。
20分もかからないで駅に到着しました。

駅からの道が書いてあるブログを友人が見つけていたので、その通りに行くとちゃんと着きました。Googleさんに聞いても大丈夫だと思います。
(カメラの設定が間違っていたので、変な写真ですが…)
中に入ると左側がお店で右側が従業員も使うというマリトリという食堂です。
最初にお店の方を見て、何があるかチェックします。
期待したほど安くなく、お値段は日本とそれほど変わらないような気がしました。
しばらく見てから、12時を過ぎると混みそうなので、ランチを食べることにしました。
ランチはビュッフェ形式で、好きなだけサラダが取れます。
食器はもちろんマリメッコ。

スープランチ(13.50ユーロ)を食べました。これの他にコーヒーとデザートがつきます。
パンも、スープも、サラダも美味しくて、マリメッコの社員さんがうらやましいです。

食事の後に再度お店に行って、欲しいものを買いました。
これに小さいタオルも買っています。
大した物を買っていませんが、これで約70ユーロ。
ナプキンが3.96ユーロ。新しい物が補充されるようで、帰る時に見ると、ピンクと水色のウニッコペーパーが出ていました。欲しかったわ。
Herttoniemi(ヘルットニエミ)駅からHelsingin Yliopisto(ヘルシンキ大学)まで戻り、歩いてマーケット広場にあるスオメンリンナ島行きのフェリー乗り場に行きます。
月曜日だからか、夏休みだからか、沢山の人がフェリーに乗りました。

私たちは最初の方に乗ったので、日陰のいい席が取れました。

可愛いわんこを見つけました。飼い主さんの膝の上で、大人しくしています。
このフェリーには他にも犬が乗っていました。散歩に島まで行くのでしょうか。

フェリーから見えた大聖堂。
島に着いて、歩き始めます。

フェリーで飼い主と島にやって来たわんこ。面構えが日本の犬と違います。

地図を見ず、適当に人の行く方へ歩いて行くと、教会が見えました。

鬱蒼とした木で隠れています。

かつての砲台が柱として使われているそうです。

島に住んでいる人がいるようで、洗濯物が干してあります。のどかですねぇ。

なんの鳥かわからない鳥がいました。

お兄さん方と一緒に着いて行くと、行き止まりになってしまいましたww。

調べてみると、カオジロガンのようです。
そうそう、フィンランドで見かけるカラスは黒と灰色のツートンカラーで、小柄です。
おもちゃ博物館やらスオメンリンナ博物館やらを通り過ぎると、足がとっても疲れてきました。
砲台はどこにあるのかしら?

ベンチのある海の見えるところで、しばし休みました。
昨日の美術館が足にきたのか、歩くのが面倒になってきて、砲台はもうどうでもよくなりました、笑。

喉が渇いたので、カフェに入ることにしましたが、みんな考えることは同じ。
やっと座れるカフェを見つけて入りました。
カフェオレはフィンランドでもカフェオレといい、冷たいものはアイスカフェオレで通じます。カプチーノもアイスカプチーノです。
フィンランドの菓子パン、プッラらしきものがあったので、一緒に頼みました。
アイスオレとプッラで8.70ユーロでした。アイスオレが美味しいです。
カフェで使っているコーヒー豆やお皿、カップはカフェで販売していました。
帰りのフェリーは激混みです。小さな島のどこにこれだけの人がいたのかと不思議に思うほどです。
乗れなくて、次のフェリーに乗りましたが、座れませんでした。
15分ぐらいですから大したことはありません。

途中でスウェーデンに行くシリアラインのフェリーとすれ違いました。
次回は乗りたいです。

島に行くもう一台のフェリー。二台で行ったり来たりしているみたいです(たぶん)。

海から見たウスベンスキー寺院。
この後だったか、プールとサウナがある施設があり、見たくなかったのですけど、裸のおじさんたちが泳いでいる姿が見えましたwww。
たぶん「アッラス・シー・プール」でしょう。

ヘルシンキ大聖堂。
疲れたので、郵便局の下にあるスーパーで夕食と朝食を買って帰りました。
iPhoneのフィットネスによると二日目は13837歩、三日目は16897歩、歩いたことになっています。
スオメンリンナ島では一日かけてピクニックをするのが正しい過ごし方のようです。
三回で旅行記を終わらす予定だったのですが、無理そうなので、後二回、お付き合い下さい。
本も溜まっています。
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