カリン・フォッスム 『湖のほとりで』 ― 2011/07/23
北欧のミステリー。独特の暗さが漂っています。
北欧の小さな町で、少女が行方不明になります。
みんなで探していると、ひょっこり帰ってきました。ダウン症の障害を持っているライモンと一緒にいたようです。
みんなが帰った後、母親に少女はおかしなことを言います。湖で死んだ女の人を見たと・・・。
警部のコンラー・セーヘルが部下とともに湖に行ってみると、そこには若い女性の死体がありました。
彼女は全裸でしたが、優しく包み込むようにそっと横たわらせられたようでした。
死体は15歳のアニー・ソフィー・ホランド。
成績もよく、優秀なハンドボール選手でしたが、14歳の時にハンドボール部をやめていました。その頃から話をしなくなり、きちょうめんで、こまかいこともきちんとしていないと気がすまないような独立心に富んだ子でした。近所の子どもたちのベビーシッターをやっていました。
セーヘルたちは聞き込みを行うのですが、手がかりが皆無で、手詰まりになってしまいます。
一体アニーに何が起こったのか。
誰がアニーを殺したのか。
所々で描かれる、愛する妻が亡くなり、一人暮らしをしているセーヘルの淋しい家に訪れる部下スカッレが、一服の清涼剤になっています。
セーヘルは死んだ妻の結婚指輪を自分の指輪と一緒にし、幅十ミリもある指輪にしてはめています。彼もまた喪失感に苛まれている人なのです。
それぞれの家庭にそれぞれの不幸が潜んでいます。
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_ じゅうのblog - 2016/02/02 22時06分09秒
「カリン・フォッスム」の長篇ミステリー作品『湖のほとりで(原題:Se deg ikke tilbake!、英題:Don't Look Back )』を読みました。
[湖のほとりで(原題:Se deg ikke tilbake!、英題:Don't Look Back )]
「スティーグ・ラーソン」、「アンナ・ヤンソン」、「カミラ・レックバリ」、「オーサ・ラーソン」、「アンネ・ダール」とスウェーデン作家の作品を読んできましたが、「カリン・フォッスム」はお隣ノルウェーの作家… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
風光明媚な、北欧の小さな村で発見された美しい女性の死体。
その女性は、村の誰もが知る聡明で快活な少女「アニー」だった。
死体には争った形跡もなく、自殺か、あるいは顔見知りの犯行ではないかと推測された。
事件は、早期に解決すると思われたのだが…。
正統派の捜査小説にして、イタリア・アカデミー(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ)賞史上最多の10部門を独占した映画の原作。
-----------------------
ノルウェー作家の作品は初めてでしたが面白かった… 愉しめました。
友人宅から帰宅途中の6歳の少女「ラグンヒル・エーリセ・アルブム」が姿を消し、村中は大騒ぎとなり、村人や警察による捜査が行われるが、ほどなく「ラグンヒル」は帰宅、、、
しかし、「ラグンヒル」は一緒に行動していたダウン症の障害を抱える村の住人「ライモン・ローケ」とともに、森の中の湖畔で倒れている女性を見たと証言… 警察が駆け付けたところ、アノラックだけを掛けられた全裸の女性の遺体が見つかる。
死体の脇には身に着けていた衣類やスニーカーが置かれており、間もなく死体の身元は15歳の女子高生「アニー・ソフィー・ホランド」だと判明… 捜査に着手した警部の「コンラー・セーヘル」と部下の「ヤーコブ・スカッレ」は、聞き込み調査から「アニー」が誰からも好感を持たれており、浮ついたことがなく年に似合わず自立した人物だったことを知る、、、
ダウン症の「ライモン・ローケ」、「アニー」のボーイフレンド「ハルヴォール・ムンツ」、母親の元夫「アクセル・ビョルク」、「アニー」の所属するハンドボール部のコーチで強姦による前科がある「クヌート・イェンスヴォル」、近所の住人「エリック・フリッツネル」、「ヘニング・ヨーナス」等々が容疑者として浮上するが決定的な証拠がみつからない。
父親に虐待されたうえに、父親が自殺したという不幸な少年時代を経験した「ハルヴォール」、2歳の息子「エスキル」が食べ物を咽に詰まらせて死なせてしまった過去のある「ヘニング」… 二人の過去が徐々に明らかになるに連れて、自殺や事故に見せかけた殺人を犯したのではないかという疑惑が深まり、「セーヘル」と「スカッレ」は容疑者を二人に絞っていく。
そして、「アニー」が書き残し、パスワードをかけてパソコンに残されていた秘密のファイルを開くことに成功した「ハルヴォール」は真相を知り、真犯人に復讐を果たそうとする、、、
いやぁ、「ハルヴォール」って、イイ奴でしたねぇ… 過去や今回の辛い経験を乗り越えて、人間的に成長して欲しいですね。
それにしても、真犯人の利己的な殺人は理解できないし、許されないモノですよね… 我が子を殺し、それを知っていた「アニー」を殺し、そして真相を知った「ハルヴォール」まで殺されそうになったんですからね、、、
派手さや意外性はないですが、地道な捜査を重ね真相に近付いて行く「セーヘル」と「スカッレ」のコンビには好感が持てました… 登場人物の名前はスウェーデン作家の作品と同様に覚えにくいですが、限られたコミュニティでの事件で登場人物がある程度限られていたので、あまり苦痛には感じませんでした。
本作品、舞台を北イタリアに移し、イタリア作品として映画化されているらしいです… 原作に忠実な内容らしいので、機会があれば観てみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「コンラー・セーヘル」
警部
「ヤーコブ・スカッレ」
警官、セーヘルの部下
「ラグンヒル・エーリセ・アルブム」
少女
「イレーネ・アルブム」
ラグンヒルの母親
「ライモン・ローケ」
ダウン症の障害を抱える村の住人
「トルビョルン・ハウゲン」
ラグンヒル捜索を手伝う町の若者
「バーデュー・スノーラッソン」
検死官
「アニー・ソフィー・ホランド」
死体で見つかった少女
「アーダ・ホランド」
アニーの母親
「エディ・ホランド」
アニーの父親
「セルヴィ・ホランド」
アニーの姉
「ハルヴォール・ムンツ」
アニーのボーイフレンド
「クヌート・イェンスヴォル」
アニーの所属したハンドボール部のコーチ
「アクセル・ビョルク」
アーダ・ホランドの元夫
「エリック・フリッツネル」
ホランド家の向かいの住人
「ヘニング・ヨーナス」
村の住人
「アストリッド・ヨーナス」
ヘニング・ヨーナスの元妻
[湖のほとりで(原題:Se deg ikke tilbake!、英題:Don't Look Back )]
「スティーグ・ラーソン」、「アンナ・ヤンソン」、「カミラ・レックバリ」、「オーサ・ラーソン」、「アンネ・ダール」とスウェーデン作家の作品を読んできましたが、「カリン・フォッスム」はお隣ノルウェーの作家… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
風光明媚な、北欧の小さな村で発見された美しい女性の死体。
その女性は、村の誰もが知る聡明で快活な少女「アニー」だった。
死体には争った形跡もなく、自殺か、あるいは顔見知りの犯行ではないかと推測された。
事件は、早期に解決すると思われたのだが…。
正統派の捜査小説にして、イタリア・アカデミー(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ)賞史上最多の10部門を独占した映画の原作。
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ノルウェー作家の作品は初めてでしたが面白かった… 愉しめました。
友人宅から帰宅途中の6歳の少女「ラグンヒル・エーリセ・アルブム」が姿を消し、村中は大騒ぎとなり、村人や警察による捜査が行われるが、ほどなく「ラグンヒル」は帰宅、、、
しかし、「ラグンヒル」は一緒に行動していたダウン症の障害を抱える村の住人「ライモン・ローケ」とともに、森の中の湖畔で倒れている女性を見たと証言… 警察が駆け付けたところ、アノラックだけを掛けられた全裸の女性の遺体が見つかる。
死体の脇には身に着けていた衣類やスニーカーが置かれており、間もなく死体の身元は15歳の女子高生「アニー・ソフィー・ホランド」だと判明… 捜査に着手した警部の「コンラー・セーヘル」と部下の「ヤーコブ・スカッレ」は、聞き込み調査から「アニー」が誰からも好感を持たれており、浮ついたことがなく年に似合わず自立した人物だったことを知る、、、
ダウン症の「ライモン・ローケ」、「アニー」のボーイフレンド「ハルヴォール・ムンツ」、母親の元夫「アクセル・ビョルク」、「アニー」の所属するハンドボール部のコーチで強姦による前科がある「クヌート・イェンスヴォル」、近所の住人「エリック・フリッツネル」、「ヘニング・ヨーナス」等々が容疑者として浮上するが決定的な証拠がみつからない。
父親に虐待されたうえに、父親が自殺したという不幸な少年時代を経験した「ハルヴォール」、2歳の息子「エスキル」が食べ物を咽に詰まらせて死なせてしまった過去のある「ヘニング」… 二人の過去が徐々に明らかになるに連れて、自殺や事故に見せかけた殺人を犯したのではないかという疑惑が深まり、「セーヘル」と「スカッレ」は容疑者を二人に絞っていく。
そして、「アニー」が書き残し、パスワードをかけてパソコンに残されていた秘密のファイルを開くことに成功した「ハルヴォール」は真相を知り、真犯人に復讐を果たそうとする、、、
いやぁ、「ハルヴォール」って、イイ奴でしたねぇ… 過去や今回の辛い経験を乗り越えて、人間的に成長して欲しいですね。
それにしても、真犯人の利己的な殺人は理解できないし、許されないモノですよね… 我が子を殺し、それを知っていた「アニー」を殺し、そして真相を知った「ハルヴォール」まで殺されそうになったんですからね、、、
派手さや意外性はないですが、地道な捜査を重ね真相に近付いて行く「セーヘル」と「スカッレ」のコンビには好感が持てました… 登場人物の名前はスウェーデン作家の作品と同様に覚えにくいですが、限られたコミュニティでの事件で登場人物がある程度限られていたので、あまり苦痛には感じませんでした。
本作品、舞台を北イタリアに移し、イタリア作品として映画化されているらしいです… 原作に忠実な内容らしいので、機会があれば観てみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「コンラー・セーヘル」
警部
「ヤーコブ・スカッレ」
警官、セーヘルの部下
「ラグンヒル・エーリセ・アルブム」
少女
「イレーネ・アルブム」
ラグンヒルの母親
「ライモン・ローケ」
ダウン症の障害を抱える村の住人
「トルビョルン・ハウゲン」
ラグンヒル捜索を手伝う町の若者
「バーデュー・スノーラッソン」
検死官
「アニー・ソフィー・ホランド」
死体で見つかった少女
「アーダ・ホランド」
アニーの母親
「エディ・ホランド」
アニーの父親
「セルヴィ・ホランド」
アニーの姉
「ハルヴォール・ムンツ」
アニーのボーイフレンド
「クヌート・イェンスヴォル」
アニーの所属したハンドボール部のコーチ
「アクセル・ビョルク」
アーダ・ホランドの元夫
「エリック・フリッツネル」
ホランド家の向かいの住人
「ヘニング・ヨーナス」
村の住人
「アストリッド・ヨーナス」
ヘニング・ヨーナスの元妻
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