塩田武士 『罪の声』 ― 2018/01/06

年末・年始にかけて読んだ本です。
1984年から85年にかけて起こったグリコ・森永事件を基に書いた小説です。
京都でテーラーを営んでいた曽根俊也は、偶然に父親の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つけます。
ノートには英文が書いてあり、「ギンガ」と「萬堂」という文字がありました。
テープを再生してみると、自分の幼い頃の声で、31年前に未解決で終わった「ギン萬事件」で恐喝に使われていた音声と同じものが聞こえてきます。
父があの事件に関わっていたのか・・・。
俊也は密かに調べることにします。
一方、大日新聞の文化部記者の阿久津英士は、「ギン萬事件―31年目の真実」という大型企画に応援記者として駆り出されます。
社会部事件担当のデスク、鳥居に睨まれつつ、仕方なく取り組み始めたのですが、イギリス、東京、広島、岡山と巡るうちに事件の核心に迫っていくこととなります。
どこまでが真実で、どこまでが作者が考え出したフィクションなのか。
相当、グリコ・森永事件を調べて行ったのでしょうね。
塩田さんは元新聞記者で本の構想15年だそうです。
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