読んだ時代小説(文庫本) ― 2024/02/26
主人公が若い女性の軽く読める時代小説、三冊です。

泉ゆたか 『京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵』
茶問屋・千寿園の跡継ぎ娘の藍は、京からきた長海和尚の眠りの悩みを解決したことから、京の宇治にある長海和尚の萬福寺で茶のもてなしの心を学ばせてもらうことになる。
旅先では危ない目に遭うが、なんとか無事に京に辿り着く。
萬福寺で兄の松次郎と長崎で医学を学んでいたという医者の幸四郎と出会う。
長海和尚からしばらくの間、幸四郎を手伝いをするように言われる。
仕事に熱心で困っている人に親切な幸四郎に引かれていく藍だった。
長海和尚、いいこと言ってます。
「皆と一緒に苦労して並ぶから楽しい。延々と並んだ末にようやくありつくからこそ、もっと美味しい。生きるとは押し並べてそんなもんですぞ」
「一日一つの新しいこと」
「何事も、腹八分に奮闘し、残りの二分はただ日々を楽しんで生きるのがよろしい」
「その場を離れること(=旅)で、周りを、つまりは己の目を見直すことができる」
京から江戸に帰らなければならない藍は幸四郎への思いをどうするんでしょう。
今回出てきた「すらあぷん」という猫が可愛らしいです。
どんな猫も人を眠りを誘うものなのでしょうか?
中島久枝 『おでかけ料理人 佐菜とおばあさまの物語』
佐菜はおばあさまと二人で味噌屋の角を曲がった奥にある家に住んでいる。
佐菜は日本橋の老舗「三益屋」の娘だったが、佐菜の母が亡くなり、父が後添いをもらったことから、おばあさまとともに室町の別邸に移った。その後、父が亡くなり、三益屋が店を閉じてしまい、ひと月前に神田に越して来たのだ。
自分たちで暮らしを立てなければならなくなったので、おばあさまは手習い所をはじめ、佐菜は内気で客とろくに話も出来なかったが、おかねの煮売り家で働くことになる。佐菜は料理が好きで、手先が器用で、いい目と耳を持っていた。
ある日、おかねに言われて佐菜が作った白和えと大根の葉の炒め物を店で売ることになる。
そうすると、家に来て朝餉に白和えをつくって欲しいという依頼がくる。
食の細い専太郎という子が白和えを気にいったというのだ。
佐菜は専太郎にふさわしい料理を考え、作って食べさせる。
少しずつ佐菜が家に来て料理をしてくれることが広まり、依頼が来るようになる。おかねたちに勧められて、佐菜はおでかけ料理人の看板を出すことにする。
佐菜が心配には無駄な心配と必要な心配があり、自分には無駄な心配が多いが、心配したようなことはなにも起らなかったと言っていますが、その通りですね。
わたしも無駄な心配が多かったですww。
おばあさまが「家の味というのはね、自分たちがどこから来たのかってことの証ですよ。その人の心棒です」って言っていますが、そういうものなのでしょうかね。
故郷の味ってわたしにあるかしらと思ってしまいました。
蛸飯とか筍料理が美味しそうです。
江戸時代にも出張料理人がいたのでしょうか?
一度でもいいから頼んでみたいですけど、なにしろ汚い家なので、できませんわねぇ(恥)。
平谷美樹 『貸し物屋お庸謎解き帖 髪結いの亭主』
貸し物屋湊屋の両国出店の店主、お庸が貸し物の蔭に隠れた謎に挑むシリーズ。
今回の貸し物は、髪結いの道具を入れる台箱、割れた鼈甲の櫛、石斑魚(うぐい)釣り用の六尺くらいの竿と道具一式、ボロボロの拍子木、大火鉢と夜具。
お庸は十八になり、この頃大人びてきていて、前のようなヤンチャはしなくなりました。湊屋本店主の清五郎への思いも封印しちゃうみたい。
普通の女の子になっちゃうようです。なんだかつまらないですね。
そういえば、侍以外の若い男性が主人公の時代小説ってあるかしら?
わたしはあまり読んでいないみたいです。
<今日の美味しいもの>

久しぶりのスコーンです。
これは固いスコーンで、朝ごはんにOIKOSヨーグルトを付けて食べました。
カップのヨーグルトで無糖ってあまり売っていないですね。
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