新保信長 『字が汚い!』 ― 2018/09/22

パソコンが普及した今、自分の字の汚さに悩んでいる人はいるでしょうか?
会社では滅多に書類は手書きにしませんよね。
大学生のレポートだって手書きではないでしょう。(ア、試験は手書きか。)
実際に字を書くのは小学生から高校生まででしょうか。
実際のところ大人が字の汚さに困るのは、たまの結婚式やお葬式で自分の名前を書く時ぐらいですよね。
新保さんは字が汚いと言っていますが、表紙の字を見る限りでは、それほど汚くないですね。
結構見やすい字です。
もっとすごい人、知ってますから。
身内の恥をさらすようですが、兄とその息子、娘の字を見てびっくりしましたもの。
私はペン字を習っていたので、ゆっくり、身を入れて(ここが大事)書くとある程度綺麗に書けますが、普段は滅多に字を書かないので書くのが面倒になってしまい、ひどい字です(笑)。
新保さんが自分の字の汚さを自覚したのは、某大物漫画家宛に企画協力お願いの手紙を書いた時でした。
これじゃあ、説得力ゼロだと絶望感を覚え、どうにかして上手い字を書けないかと、ペン字練習帳に挑戦したり、ペン字教室にまで通ったりします。
なかなか上達せず、それじゃあ、他の人―コラムニストやライター、編集者、漫画家、小説家、アイドル、野球選手、政治家etc.―はどんな字を書いているのかと色々な人の手書きの字を調べ、気になった人に会いに行ったりしてみます。
その他に昔流行った丸文字から長体ヘタウマ文字、ゲバ文字、POP文字、カフェ文字などを検証。
最後には書の達人・菅原道真を祀った亀戸天神社にも行きます。
やっぱり最後は神頼みですかぁ。
因みにこの本にでてきている小説家の悪筆1位は石原慎太郎です。
人に読ませようという字じゃないです。性格出てます。
政治家が意外と汚い字で、びっくりです。(p.125参照)
美文字で驚いたのが、連続不審死事件で死刑判決を受けた木嶋佳苗。
ネットで見てみてください。
字のきれいさで男の心を掴んだのでしょうか?
新保さんの最終目標は、「大人っぽく、いい感じの字がかけますように」になったようです。
パソコンが普及した今、字って結局のところ、読みやすければいいと思う私ってダメかしら?
字の綺麗な人ってデザインとかが得意な美的センスのある人なんじゃないかと思います。
ようするに綺麗な字ってバランスがいいってことではないでしょうか。
字について考えさせてくれる、なかなかおもしろい本でした。
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