額賀澪 『転職の魔王様』 ― 2021/03/04
会社に入ってから、ふとした折に転職しようかなって思う時がありませんか。
親や先生から、3年我慢しなさい、なんて言われませんでしたか。
3年我慢できれば、5年、10年と勤めていけますよ、なんて言われ、その気になって働いても、「なんかこんなもんだっけ、仕事って」と思うことがありませんか。
昔よりも今の方が転職しやすいとはいえ、転職ばかりしていると、駄目な奴と見られるのではと思っていませんか。
そんな人はこの本を読んでみるといいかもしれません。
未谷千晴は、入社した大手広告代理店でたまたま上司になった奴がとんでもないパワハラ上司で、なんとか無理して働いていましたが、仕事中に倒れてしまい、仕事を辞めざるおえなくなってしまいました。
「三年も仕事が続かない、働きもせず、家にお金を入れず、税金も年金も親に払ってもらっている、そんな自分は駄目な大人だ。そんな自分に耐えられない」などと色々と考えてしまい、自信も希望も持てないでいました。
そんな姪のことを心配した叔母の洋子に、彼女が経営する人材紹介会社「シェパード・キャリア」を使って会社を探したらどうかと勧められます。
彼女のCA(キャリアアドバイザー)になったのが、「転職の魔王様」と呼ばれている来栖嵐でした。
彼は足が不自由で杖をつき、無機質に顔の整った顔立ちで、歯に衣着せない物言いをします。
彼から言われることは、どれも心に刺さり、千晴はつい言ってしまいます。
「私は、どうすればいいんでしょうか」と。
来栖は言います。「そんなこと自分で決めてください。大人なんですから」
どんな会社でどんな仕事がしたいのか、自分の人生のビジョンがないという千晴に洋子は来年の三月まで、シェパード・キャリアで見習いキャリアアドバイザーとして働いてみないかと提案します。
千晴の教育係は、もちろん来栖です。
さて、どんな転職希望者がやって来るのでしょうか。
そして千晴は3月までに自分の進む道を見つけられるでしょうか。
転職希望者5人のお話が載っています。
この中の誰かが、あなたと同じ悩みを持って転職を希望しているかもしれません。
実際にはこんなに親身に相談にのってくれる人材紹介会社はないと思います。
と言っても私は利用したことがないので、どんな感じなのかわかりませんが。
とてもいいCAに出会えたらラッキーと思って利用するといいでしょうね。
転職とは違いますが、前に読んだリストラ請負人のお話も面白かったです。
垣根涼介の『君たちに明日はない』シリーズ5冊も一緒に読むことをお勧めします。
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