リース・ボウエン 『貧乏お嬢様、追憶の館へ』2021/11/23



ダーシー・オマーラと結婚して王位継承権を放棄してから三ヶ月が経ちました。
ジョージーはサー・ヒューバートから相続人に指定され、アインスレーという彼の屋敷で暮らすようになり、新婚生活を楽しんでいましたが、ダーシーは仕事でどこかに行ってしまいます。
ダーシーがいないと、大きな美しいお屋敷ですることがありません。
友人のベリンダはパリに、母親はドイツのマックスのところにいます。
ロンドンのゾゾのところに行ってみますが、大陸に行ってしまったようです。
おじいちゃんは警察でボランティアをしていて忙しそうです。
がっかりしてアインスレーに戻ると、ベリンダが赤いスポーツカーに乗ってやって来ました。祖母から財産を遺され、大金持ちになったというのです。
遺されたものの中に、コーンウォールの家があり、ジョージーはベリンダと共にその家を見に行くことになります。

コーンウォールはベリンダにとって子ども時代の思い出の場所です。
楽しい滞在になるかと思ったら、天気は最悪、家は廃墟みたい…。
一晩なんとかその家に泊まりますが、一晩で十分です。
次の日、近所に泊まれる場所がないか聞こうと日用雑貨店に入ったところ、ベリンダと幼馴染みの、祖母の元料理人の娘のローズと再会します。
ローズは金持ちの息子だったトニー・サマーズと結婚し、前妻から相続したトレウォーマ・ホールに住んでいるというのです。
ベリンダたちが泊まれるところを探していると知ったローズは自分の屋敷に泊まるようにと招待します。
あまり乗る気ではないベリンダです。というのもベリンダとトニーは一時付合っており、トニーに婚約者がいることがわかり、別れたのです。

トレウォーマの屋敷には崖から落ちて亡くなった前妻の影がまといつき、彼女を崇拝している不気味な家政婦がいました。
屋敷の中は張り詰めた雰囲気で、ローズは不安そうです。
ジョージーたちと散歩に行った時に、ローズは前妻は崖から突き落とされたのではないか、そしてトニーは自分を殺そうとしているんじゃないかと言います。

屋敷の雰囲気にいたたまれなくなったジョージーとベリンダは帰ることにします。
しかしその夜、ベリンダのベッドの上でトニーが一糸まとわぬ姿で死んでおり、ベリンダは手にナイフを持っていました…。
ベリンダはトニーの殺害容疑で逮捕されてしまい、ジョージーはベリンダを救うために奔走します。

結婚しても落ち着かないダーシーとジョージーですね。
不幸な出来事があったベリンダがお金持ちになり、幸せを手にするのかと思ったら、今度は殺人事件に巻き込まれてしまいます。可哀想に。
ベリンダにいい人が現れますように、祈っていますわ。

次作は王室との縁も切れたと思っていたら切らせてくれなかったようで、クリスマスだというのにジョージーはまた呼び出され、ある方をスパイするように頼まれるようです。
リース・ボウエンさんは80歳だそうで、そろそろ切りのいいところで終わりにしてもらわないと、アガサ・レーズン・シリーズのように途中で終わってしまい、やきもきしそうです。
ダーシーとの結婚が良い機会だったのに…。

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