巻き爪の手術2021/11/26



神社の銀杏も黄色く色づき、葉を落としていました。
紅葉を見に行きたいところですが、しばしの我慢です。
来年は好きなところに行けるようになるといいですね。

7月から巻き爪のワイヤー矯正法を4回試しましたが、端の爪が伸びません。
そのためこのままワイヤー矯正法を続けても無駄だと医師が判断し、急遽フェノール法による手術をすることになりました。
前もって手術をするという心構えが出来ていなかったので驚きましたが、その場で手術をやることにしました。


医師が描いてくれたのがこの図です。
親指の付け根2箇所に局所麻酔をして、爪の両端を大元から切って除去し、根元をフェノールで焼却処理して陥入した爪が生えてこなくするのです。
手術は20分程度で終わりましたが、麻酔がとっても痛かったです。
今回は巻きが強い左親指をしました。手術代は自己負担3割で片足4300円ぐらいでした。他に痛み止めと化膿止め、塗り薬の処方箋が出ました。
毎日一回、シャワーを浴びるときに、患部を石けんで洗うように指示されています。しみないか心配です。
右の親指の巻きは片側だけでそれほどではないのですが、今まで何回も化膿しているので、次に行った時に手術をしてもらおうと思います。

20代の頃から悩んでいた巻き爪にやっと悩まされなくなります。
家族では母親と甥がこの手術をしています。巻き爪は遺伝なのかしら?
私の場合、手術を提案してくれる医師に今まで出逢わず、VHOを何回かして無駄にお金と時間を使っていました。
巻きが私のように強くなければ治ったのかもしれませんが。
医師選びも大事ですね。

柚月裕子 『ミカエルの鼓動』2021/11/27

巻き爪の手術が簡単だったので、痛みはそれほどないと思っていたら、うずきます。痛み止めを飲んでも、微かな痛みがあります。
結局昨夜はあまり眠れませんでした。
今まで手術をしても痛みに悩まされませんでしたが、こんな簡単な手術の方が痛いんですね。



北海道中央大学病院循環器第一外科に勤務する西條泰己は医療用ロボット「ミカエル」を使って心臓手術を行い、ロボット支援下手術の第一人者として知られています。
彼は北海道という広大な地での医療の在り方と地域のトップである北中大病院が先進医療を率先して導入していく必要性を問き、「すべての患者が同じ医療を受けられること」を目指しています。
彼にとってミカエルこそが平等な医療を実現する切り札であり、多くの人命を救う救世主なのです。

しかし第一外科科長としてドイツのミュンヘンのハートメディカルセンターで働いていた真木一義が赴任してきた頃から物事が狂い始めます。
ミカエルを推進していたはずの病院長の態度が変ってきました。
積極的に外部の取材を引き受けるように言われていたのに、引き受けるなと言われます。
黒沢というフリーライターが西條に会いにきて、「ミカエルでの手術が減った医師がいるとか、急に止めた同僚がいるとか」、気になることはないかと意味深なことを聞いてきます。
そして広総大でロボット支援下手術の優れた技術を持つことで有名だった布施寿利が医療ミスを起こし退職した後に自死します。
ミカエルに何かあるのか…。
不安に思った西條は密かに探ることにします。

やがて真木と西條は12歳の先天性心疾患の子どもの手術で対立することになります。ミカエルを使った弁置換手術か真木の執刀による再度弁形成手術か。
西條はミカエルを使って手術をしたかったのですが、もしミカエルに何らかの欠陥があり、沢山の人々の命を救うはずのミカエルが、たった一人の命を救えなかったら…。

西條も真木の目指すことは同じ。
しかしそこに別の要素が加わると、大事なことが忘れられてしまいそうですね。
西條はかろうじて踏みとどまった感じです。これからの彼は真の意味で良い医師になれるのではないかと思いますが。

前半が凡庸で長く読むのを止めようかと思い始めましたが、12歳の少年がでてきてから、俄然おもしろくなりました。
次回は真木の過去と西條のその後を書いて欲しいです。

堂場瞬一 『聖刻』2021/11/28



警視庁捜査一課殺人犯捜査第八係の柿谷晶は出頭してきた容疑者・前尾弘大の取り調べに当たる。
彼は大物司会者・前尾昭彦の息子で殺したのは22歳の元彼女。
犯行は認めるが、動機については話そうとはしない。
晶は前尾の家族のケアを命令される。
何故自分が…と思う晶。周りに隠しているが、実は晶は犯罪加害者の家族だった。
はからずも晶は犯罪被害者支援課と関わることとなる。

やがて前尾の家族はネット上で誹謗中傷にさらされ、家が放火され、そして最悪の事態が起る。
晶は護れなかったという後悔から捜査を離れ、真相を調べるために行動するが…。

新しいヒロインの誕生です。
彼女の強引さがちょっと苦手ですが、男社会の警察ではそうもしないと埋もれていくのでしょうね。
犯罪被害者支援課のシーズン1が完結し、シーズン2として犯罪被害者支援から犯罪加害者支援へ、村野から柿谷へとバトンタッチされるのでしょうか。

今回も堂場瞬一作家デビュー20周年の一貫で、堂場小説のオールスターが、村野は晶と絡み、大友が電話で、高城健吾と鳴沢了は噂話でチラッと出ていました。
マイクル・コナリーもボッシュの次に女刑事レネイ・バラードを考えているようだし、ミステリーの世界でこれからは男性の描く女刑事が活躍するようになるのかもしれませんね。
犯罪被害者支援課の新しい幕開けを楽しみに待ちますわ。

ミス・マープル「カリブ海の秘密」&「パディントン発4時50分」を観る2021/11/30

ミス・マープル・シリーズの長編作品をドラマにした2作品を観ました。
2つ共に長くて、1時間40分ちょっとです。
ドラマを見てからついでに本も読んでみました。
『カリブ海の秘密』は翻訳本で、『パディントン発4時50分』は原文で読みました。
今はどうかわかりませんが、昔はアガサ・クリスティを原文で読むと英語の勉強になっていいと言われていましたね。
私は今まで一度も原文で読んだことがありませんけど、笑。
今はこういうドラマがあるので、ドラマを最初に見て面白かったら原文を読んでみるといいでしょう。
原作と違うところがあるので、どこが違うか探しながら読むといいかも。

作品の紹介はドラマに即して書きますね。


写真を見てもおわかりのように、カリブ海とミス・マープル、なんか海とそぐわないような…。なんでバッグ持っているの?編み物が入っているのかな。
後の作品、「復讐の女神」に関係するラフィ-ルじいさんが出てきます。この人、いやなじいさんで、最初はミス・マープルのことを場違いだのなんなのと言っていました。失礼な人です。
おばあさんは南国に行っては行けないのですかぁ。
アメリカ人女性だと年寄りでももっと肌を見せているのかもしれませんね。

ミス・マープルは甥の計らいでカリブ海のホテルで転地療養をすることになります。良い甥ですね。おばさんのためにお金を出してくれるんですもの。彼のおかげでミス・マープルは色々なところに行けていいですね。私もこんな甥が欲しいわ。
ホテルでは編み物をしながら他のお客さんたちと話したり、彼らの話しを聞いたりしながら気楽に過ごしていました。

ある日、ホテルの滞在客の一人、パルグレイブ少佐が話す過去の妻殺し事件に耳をすましていました。彼は犯人の写真を見せてくれようとしますが、突然話しを変え、写真をしまってしまいます。おかしいと思うミス・マープル。
翌朝、少佐がホテルの部屋で亡くなっていました。
高血圧の薬があったので、病死と判断されますが、メイドのヴィクトリアはその薬はもともと棚になかったと言います。
ミス・マープルは写真が気になり、医師に嘘を言って調べて貰いますが、写真はありませんでした。
ミス・マープルは少佐は殺されたのではないかと疑い始めます。

ミス・マープルが滞在しているホテルはティムとモリーのケンドル夫妻が経営していました。モリーは情緒不安定で、記憶が飛んでいることがあるようです。
ある夜、彼女が血のついたナイフを握りしめているところを発見され、別の場所でヴィクトリアの遺体がみつかります…。

失礼なじいさんだったラフィールとミス・マープルが意外と合っていて、共同で殺人事件にあたるというところが面白いですね。
ラフィールは女性蔑視の権化かと思っていたら、後にちゃんとミス・マープルのことを認めていて、だからこそ「復讐の女神」でミス・マープルにあるお願いをすることにしたのですね。

細かなところが原作と違うところがあります。
例えばドラマではミス・マープルがメイドのヴィクトリアのおばさんに会いに行き、仲良くなっていましたが、原作ではおばさんは出てきません。
現地の様子がわかって、いい場面でしたけどね。

1950年代の避暑地の様子がわかるドラマでした。


ミス・マープルに会いに行くために、パディントン発4時50分の列車に乗っていたマクギリカディ夫人は、平行して走っている各駅列車の中で、男が女を絞め殺す瞬間を目撃する。車掌に報告するが、取り合ってくれない。
話しを聞いたミス・マープルはスラック警部に通報するが、死体は見つからず、老女の世迷い言だと思われる。
しかしマクギリカディ夫人の言葉を信じているミス・マープルは同じ列車に乗り込み、線路沿いにあるクラッケンソープ家の屋敷に死体が隠されているのではないかと推理し、昔お世話になった家政婦のルーシー・アイレスバロウに死体捜査の協力を依頼する。
うまくクラッケンソープ家に雇われたルーシーは納屋の石棺の中に女性の死体を見つける。
クラッケンソープ家の人たちは皆その女性に面識がないと言うが…。

このドラマではルーシーが気に入りました。
彼女はオックスフォード大学で数学を専攻し、優秀な成績で卒業したにもかかわらず、家政婦になったのです。
料理や掃除は言うまでもなく、雇われた家族が満足するようなコツを持っているので、予約が殺到し、短期間の契約しか受け付けていないほどです。
ミス・マープルの甥が病気になった彼女のためにルーシーを寄越し、二人は意気投合したようです。気立ても頭もいいので、潜入捜査にふさわしい人ですね。
残念ながらルーシーが出てくるのはこの作品だけです。
ドラマでは次男のセドリックと次女の夫のブライアンに迫られていますが、原作ではブライアン以外になんと老いた当主のルーサーや四男のアルフレッドに結婚しないかと言われたり、ハロルドには高給で彼の会社で働かないかとリクルートされたりしています。魅力的な女性のようです。
ドラマでは結婚相手がわかりますが、原作では誰を選ぶのかが謎になっているようです。出てくる男性はどの人もルーシーには向いていないと思いますが、強いて言うと、ドラマと同じ人かな…。

原作ではミス・マープルはあまり出てこないので、この作品はルーシーが主役みたいなもんです。
そうそうドラマではミス・マープルの家が素敵でした。

私にとってこのドラマはミス・マープルが事件を解くのを見るのではなく、当時の人たちの暮らしを楽しむものです。
1950年代の古き良き時代(かな?)のイギリスを是非味わってください。