「アメリカン・ビューティー」を観る2008/07/31

小型のDVDプレーヤーを買ったので、どこでもDVDが観られるようになりました。
というわけで、本を読むよりDVD。
やっと前に買っておいた「アメリカン・ビューティー」を観ました。
流石、アカデミー賞を取っただけあります。一筋縄ではいかないのよ。
いろいろと考えられないと、アカデミー賞はもらえないのね。
後味の悪い映画です。
手っ取り早く言ってしまえば、アメリカの中産階級家庭の崩壊を描いている映画です。

レスター・バーナムは、不動産ブローカーをしている妻キャロリンと父親を嫌っている娘ジェーンのいる平凡な中産階級の男です。
特にこれと言った不満はありませんが、といって楽しいわけではなく、妻とはずっとセックスレス。
ある日、嫌がる娘のチアガール姿を見に行き、人生が変わります。
娘の友達の美少女ジェーンに恋してしまったのです。
彼の妄想はもう止められません。
ちょうどその頃、会社をリストラされてしまいますが、恋に狂ったレスターには、もう何も失うものはない。
上司が女を買ったことをばらすと脅し、多額の退職金を手に入れて、なんとハンバーガーショップでバイトを始めます。
どうしちゃったんでしょうね。
妻キャロリンはというと、ライバルの不動産王のバディと浮気をしちゃうし。

そんな頃、隣にフランク・フリッツ大佐家族が引っ越してきます。
フランクは暴君で、妻と息子のリッキーを支配しています。
リッキーはそんな父親に反発を感じつつも、表には出さないようにし、裏で麻薬を売ったり、隣のレスター家族の盗撮をやっているという変わった子です。
娘のジェーンはリッキーを気に入り、彼と恋人同士の関係になります。

一見どこにでもいる、典型的なアメリカ人家族のはずが、ひとつずつ歯車が狂ってきて、最後は悲劇へと向かっていきます。
この映画に出てくる人たちは、偽りの自分を生きていると思い込み、本当の自分を求めて生きようと思い、行き詰まってしまっているように思います。
宙を舞う白い袋を美しいと言ったリッキー。
一体「アメリカン・ビューティー」とは何なんでしょうか。