風野真知雄 『大名やくざ 1~3』 ― 2014/12/17

大名とやくざって対等なものでしょうか?
などという考えは捨てて、破天荒な主人公・虎之助の活躍を楽しみましょう。
虎之助は三百石の旗本の五男なのですが、彼の出生には大っぴらにできないことがありました。
殿様がやくざの大親分の娘とは知らずに手籠めにしてしまい、できてしまったのが虎之助。
五男ですから冷や飯食い。
やくざの若親分をやってまして、人呼んで<水天宮の虎>と言います。
『大名やくざ』
若親分として君臨していた虎之助ですが、自分の子が大名になると聞き、子を押しのけ自らが大名になろうと画策します。
さて、どんな手を使うのでしょうか。
『大名やくざ2 火事と妓(おんな)が江戸の華』
まんまと大名になった虎之助。
彼の藩に任されたのが、火の御番。
火事なら任せとけと、藩士たちを鍛えます。
そこに火つけ騒動が起こり、火消しで名高い加賀藩と競うことになります。
『大名やくざ3 征夷大将軍を脅す』
藩に三十万両の借金があるのを知り、虎之助はなんとかして借金を誰かに押し付けようと算段します。
そこで目につけたのが、恋敵でもある紀伊国屋。
その一方、将軍・綱吉の弱みを握り・・・。
実は主人公の有馬虎之助って実在した人なんですって。
彼がやくざの若親分であったというのは、作家が作り上げた虚構なのです。
読み進んでいくうちに、こずるいながらも、悪知恵を働かせてのし上がっていく虎之助が恰好よく思われてきました。
四巻が待たれます。

犬部屋にカートのキャリーを置いておくと、早速弟が入りました。
何にでも興味を持つ頃なのでしょうね。
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