伊吹有喜 『彼方の友へ』2018/07/24

図書館に予約をしていた本が届きました。
ついこないだ予約したのですが、それほど話題になっていないのかしら?


老人ホームに入居している佐倉ハツは届けられた雑誌の付録を見て、微かになっていく記憶の中から、自分が憧れ、かかわることになった雑誌『乙女の友』にまつわる出来事を思い出していきます。

昭和十二年。
父が大陸に行き失踪したため、ハツは病弱な母のために進学を諦め、西洋音楽の私塾を経営するマダムの家の手伝いをしていました。
しかし、そのマダムも神戸の家に帰ることになり、次の働き口を探そうと思っている時に、ハツの所に転がり込んだのが、憧れの『乙女の友』の主筆である有賀の助手になるという話でした。
喜んで働き始めるのですが・・・。

何事にも誠実に真向から立ち向かうハツ。
そんな彼女のことを理解してくれる編集部の人たち。
戦争が続くにつれ時代は増々過酷になっていきますが、ハツたち編集部の者たちは「友よ、最上のものを」をモットーに『乙女の友』を発行し続けていこうとします。

NHKの朝ドラの「トト姉ちゃん」のような感じを思い浮かべてもらうといいですかね。
もちろん雑誌の対象と趣旨は違いますが。
読み終わる頃には、私の頭の中でハツはトト姉ちゃんになっていました(笑)。

最後にホッとできたのがよかったです。
伊吹さんは48歳で、元編集者ですか。
50台で何を書くか、楽しみですね。

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