おもちゃも楽しいです♫ ― 2023/06/18
兄犬はママのハンカチではなく、この頃、弟のおもちゃで遊ぶようになりました。
季節はずれですが、サンタさんの登場です。

首の辺りが咥えやすいみたいです。

床の上に置いて、お尻の方を舐めています。

特に美味しいわけではないのですけど。

上から見るとこんな感じ。

何故か足を踏ん張っています。

ちょっとお休み。

そんなことをしていると弟がやって来て、兄からサンタを盗み、かじりついています。
各々好きな部分が違うようです。
弟はサンタさんを振り回します。
その時の弟のタテガミが乱れる様子が面白いので、また撮ってみました。

いつも笑顔がいいですね。

左に流れているタテガミが素敵です。

アララ、ボッサボサwww。

こうなると、もはやコメントできません。
公園へ行く ― 2023/06/17
梅雨の合間の晴れなので、暑くならないうちに公園へ行こうと思っていました。
しかし、わんこたちに餌をやった後に二度寝をしてしまいました(恥)。
仕方なく、10時過ぎに出かけました。
そうすると、またナビ子(ナビのことよww)が仕事をせず、普通よりも倍の時間がかかってしまいました。
もうこなったら自分で道を調べ、その道を行くしかありません。困ったナビ子です。
公園に着くと車に弱い兄はクレートの中で吐いていました。可哀想に。
ママの膝の上に座らせてもいいのですが、弟が嫉妬するのでできません。

木陰にシートを敷き、少し休ませました。
ママの足の上に座る兄犬とお座りをしている弟です。何を見ているのかしら?
まず最初に、弟とパパが歩きにいきました。
ママはお腹が空いたので、買って来たたこ焼きを食べようとすると、兄が吐いてお腹が空いていたのか、ママのたこ焼きを食べようとします。
わんこには人間の食べ物をやってはいけないので、兄の隙を狙ってたこ焼きを口に入れました。食べた気がしませんわ、笑。

歩いた後、お座りして笑顔のヨーキー。
彼は暑さに弱いので、それほど歩いていないのに、すぐに座ろうとします。
次にママと兄が行きます。

兄は最初は駆けまわります。

本当に走るのが好きなのがわかります。

歩道は足に悪いので走らせないのですが、土の上ではなるべく好きにさせます。
今日は暑いので、しばらくすると走るのを止めてママと歩き出しました。

犬用タンクトップを濡らして着せていますが、どれだけ涼しいのかは疑問です。
だって犬には毛がありますものね。(草を食べる犬たち。すぐにやめさせました)
暑いので、ほどほど遊んで帰ってきました。
早く秋にならないかしら。そうするともっと長く公園にいられますもの。
パパとママはシートでは疲れるので、椅子を買うことにしました。
犬たちを部屋に入れ、ママは三年ぶり、パパは一年ぶりに鰻を食べに行ってきました。

パパはお酒と肴を頼み、後で鰻を食べます。
お酒の飲めないママは特上の値段にびっくりし、上にしました、笑。
特上、上、並と言っても鰻の大きさの違いなので、上でも十分でした。
久しぶりの鰻は美味しゅうございました。
南杏子 『いのちの十字路』 ― 2023/06/13
『いのちの停車場』の続編。

野呂聖二は医師国家試験に二回落ちた後、一年間金沢のまほろば診療所でドライバー兼雑用係としてアルバイトをするうちに、再び医師の道を目指す決心をする。
予備校に通い、翌年の医師国家試験を受験し、二十七歳で合格。城北医大病院で研修医となる。
その二年後の2021年4月、コロナ禍の中、彼はまほろば診療所に戻って来た。
実は野呂はヤングケアラーだった。
祖母の病気を治したいから医師になろうと思ったが、結果的に自分は祖母を見放してしまったのではないかという思いが彼を悩ましていて、彼はその過去を封印していた。
野呂の受け持つ患者とその家族にはそれぞれの家庭の事情がある。
娘の手を借りずに一人で人生を全うしたい母と母の介護をしたい娘。
認知症の母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。
末期ガンなのに国に帰らず、日本で最期を迎えたいというインドネシアの技能実習生。
認知症になった妻を受け入れられない夫。
若年性脳梗塞の後遺症で身体が不自由になった母の世話をする中二の娘。
パーキンソン症の夫と慢心心不全の妻の老老介護。
それぞれの患者と家族に寄り添い、奮闘する野呂。
介護の四つの権利は知りませんでした。上野千鶴子が『ケアの社会学ー当事者主権の福祉社会で』の中で書いているようです。
<介護の四つの権利>
・介護を受ける権利
・介護を行う権利
・介護を受けるのを強制されない権利
・介護を行うのを強制されない権利
この4つの他にこの本の中では五つ目の権利を挙げています。
・介護を休む権利
これらの権利にはなるほどと思いましたが、今の現状ではなかなか難しいものがあります。
子どもを産み育てるのも大変、老いるのも大変。そんな日本で暮らすのも大変。
どの話も身に染みました。
まほろば診療所みたいなところがあればいいのですが、高望みですよね。
こんなに親身に考えて支えてくれるところなんてなかなかないですよね。
最期をどのように迎えたいか、よく考えなければと思いました。
ほんわかとした感じで描かれていますが、現実は厳しいです。
<今日のわんこ>
わんこたちはママが介護します。(ママが生きていればね)

弟の写真がうまく撮れました。
弟はお座りはちゃんとするので、前を向いた時にシャッターを押すだけです。
何枚か撮ったうち、一枚だけ前を向いていました。
兄犬、11歳になる♡ ― 2023/06/12

チワワとマルチーズのミックス犬、チワマルの兄が11歳になりました。

0歳の時にペットショップの餌が気にくわなくて、ハンガーストライキをし、動物病院に一週間入院したという兄は食いしん坊に育ちました。
幸いなことに今まで膝が痛い以外に病気らしい病気をしていません。
立派なシニア犬(人間で60歳)です。
ママとパパは彼がこれからの余生を楽しく暮らせるように考えていきたいと思います。
この頃の兄は弟の真似をして、おもちゃで(というかママでと言った方がいいかしら?)遊ぶようになりました。

カモシカちゃんをガジガジ。

お尻の方がお好みのようです。

「ママ、取ってみて下さい」

「絶対にあげませんから」

「こいつはウザいので、嫌いです」

なかなかカモシカちゃんを離しません。

アララ、寝床に持っていっちゃいました。
お遊びは終わりです。
まだまだ元気いっぱいの兄です。
岩井圭也 『最後の鑑定人』 ― 2023/06/10
先週、夫の職場でコロナに罹った人がいたけれど、夫も私も症状がでていません。
コロナは風邪と同じといいますが、風邪よりも熱や喉の痛み、咳がひどいそうなので、かかりたくないです。
これからも気をつけていきますわ。

土門誠は科捜研を辞め、民間の鑑定所を開設している。
かつて彼は「最後の鑑定人」と呼ばれ、彼が鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない、科捜研の最後の砦といわれていた。
土門は無駄を嫌い、余計な話はしない。人柄は独特だが、技術は一流。
持ち込まれる不可解な事件を科学の目で見ていき、解明していく。
「遺された痕」
工事現場で女性の死体が見つかる。首にはロープのようなもので絞められた痕、衣服に乱れがあった。
防犯カメラの映像と遺留精液のDNAから元恋人が逮捕される。
土門はDNA鑑定結果に注目する。
「愚者の炎」
郊外にある一軒家から火が出て、この家に住んでいた縫製工場で働くベトナム人技能実習生が逮捕されたが、彼は何も話さない。
困った香取判事は土門に鑑定を頼む。
「死人に訊け」
神奈川県の漁師が海底に沈んでいた軽自動車を発見。車を引き挙げると、車内に白骨化した遺体と大量の宝飾品があった。車は十二年前に借りられたレンタカーで、宝飾品は大田区内で十二年前に発生した強盗殺人事件の盗品であることがわかった。
鑑定を頼まれた土門は復顔をしたかと訊く。
「風化した夜」
ある日、六十代半ばの女性が土門鑑定所にやって来る。
自殺した彼女の娘、西村葉留佳がどうして死んだのか知りたいので、遺品を見てもらいたいというのだ。
七年前、住宅街の橋の上で四十代の男の遺体が見つかる。後頭部を殴打されており、凶器と思しき金属バットが残されていた。
金属バットについていた指紋と川原に寝泊まりしていた路上生活者・真鍋の指紋が一致し、自白したので、逮捕した。しかし、彼が犯人ではないという証言者が現れ、釈放され、その後真犯人は捕まらなかった。
聞き込みで真鍋の自白を引き出した西村葉留佳は責任を問われ、捜査本部から外され、じきに退職した。
土門はこの時、指紋の鑑定をし、真鍋の逮捕に反対していたという。
土門は自分の手で事件の決着をつけることにする。
「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」
「先入観や思想は事実を見誤らせる。我々は常にそれを意識しなければなりません」
「被疑者の動機に、正しいも間違っているもありません。あるのは、罪を犯したという事実だけです」
土門が鑑定から事実を推測し、犯人を追い詰めていく過程には驚きました。
刑事なんていらないじゃないですか、笑。
最後の「風化した夜」で土門は事実を突き止め、正しいことをしました。
葉留佳は警察官になってはいけない人でしたね。
それにしても高倉さんはひどい人です。「私、嘘がわかるんです」とか言いながら、わざと不味いオリジナルブレンドのハーブ水を飲ませるんですから。
いったい何が入っているのか、怖いもの見たさで知りたいです、笑。
ポリグラフ検査(ウソ発見)の達人(かな?)高倉さんの活躍も見たいです。
シリーズになりそうなので、次なる二人の活躍を期待しています。
<今日のわんこ>
ジトジトしていますが、今日はパパが仕事なので、一匹ずつお散歩です。

綺麗な紫陽花の花と一緒に写真を撮ろうとしますが、うちのわんこは無理なので、こんな感じになってしまいました。
紫陽花も満開です。
森晶麿 『黒猫と語らう四人のイリュージョニスト』 ― 2023/06/09

黒猫はメディァでも注目されるようになり、論文は国際的な評価もうなぎ上りで、研究者として上り詰めるところまで上り詰めていた。
そんな黒猫がひと月前に大学へ長期休暇を申請した後、連絡が取れない状態になっていた。
付き人は学部長の唐草教授に頼まれ、黒猫の行方を探ることになる。
失踪直前に黒猫の研究室を訪れた人は四人。元歌手の赤城藍歌と俳優の平埜玲、現代画家の網野美亜、そして写真家の魚住ゆう。
付き人は彼らと連絡を取るが、誰も彼女に会おうとはしない。
いったい黒猫はなんのために彼らと会っていたのか。
その頃、付き人は人生の岐路に立っていた。
そんな彼女を黒猫が呼び出した場所は…。
黒猫シリーズも終わってしまったようです。
終わり方は予想とは違いました。まあ黒猫がひとところに落ち着くとは思っていませんでしたけど、でもこんな終わり方でいいのかしら?
最後は付き人の女のずるさが出ていましたね。
美学とは何か。
最後まで私にはわかりませんでした(恥)。
<今日のわんこ>
兄はハンカチではなくて、弟と同じようにおもちゃで遊ぶようになりました。

弟は持って来いをするのですが、兄は面倒で、取ってみろなんです。
そのためママは兄を追いかけ回し、腰をかがめるので大変です。
柚月裕子 『チョウセンアサガオの咲く夏』 ― 2023/06/03
昨年の4月に発売されていますが、気づいたら図書館の予約数がめちゃ多くて、今頃読んでます。
長編じゃないので、いつ読んでもよかったみたいです。

11話の短編集。
ちょっとゾゾッとくるものから、瞽女の話、猫に関する話、おそ松君ファミリーの話、戦争の話など様々なテイストのもので飽きません。
題名のチョウセンアサガオは薬用植物ではありますが、間違って食べると覚醒剤と似た症状が出る有毒植物なんだそうです。
華岡青洲は本種を主成分とする麻酔薬を使用していたそうです。
瞽女の話は読んだことがありますが、柚月さんも興味があるのですね。
2つの話は続いてるのかと思って名前を見ると、違う人たちでした。
地方を転々としながら、目の悪い女の子がいたら、親になにがしかのお金を払い、子どもを引き取り、瞽女として育てていたのですね。
女だけの旅ですから、色々と危ないこともあったことでしょうね。
嬉しいことに、最後の「ヒーロー」は「佐方貞人」シリーズのスピンオフ作品です。といっても佐方さんは少ししか出ていなくて、主人公は事務官の増田です。
佐方の「嘘の先には嘘しかありません」にはなるほどと思いました。
私は柚月さんの短編よりも長編の方が好きです。
次の作品が「佐方貞人」シリーズならなおいいのですが、よろしくお願いします。
<今日のわんこ>
大雨が午前中で上がったので、涼しいうちに散歩に行ってきました。

お水をごくごく飲んでいます。

正面から撮ろうと思っても、ダメですねぇ、笑。

とても大きなカシワバアジサイが咲いていましたので、この下でわんこたちの写真を撮ろうとしましたが…。

わんこたちが座ったのが花の真下でなかったので、パパの姿が入ってしまいました。
そんなわけで、パパの顔をカットしました。
白い紫陽花の下にお座りしているわんこの姿を想像してください、笑。
お散歩も暑いなぁ♫ ― 2023/05/28

ピンク色が綺麗な紫陽花でしたが、写真に撮るとそれほどには見えませんね。
ここ一週間ばかりで、紫陽花も大きくなりました。
梅雨が近付いて来ているんですね。
わんこたちはお年にもかかわらず、元気に遊んで、食べています。
ママが冷蔵庫からイチゴやリンゴを出すと、兄犬が嗅ぎつけてハウスから出て来て、ちょうだいという目でママを見つめます。
弟は兄とは違い、フルーツを持って行くと出てきます。
今朝、兄は2回も犬部屋から脱出しました。
ママはどうやって逃げ出したのかわかりませんでした。
しかし、パパが脱出途中の兄を見つけてしまいました。
弟のサークルが壁から20㎝ぐらい離れているのに兄は気づき、そこを通って脱出したのです。
犬って意外と利口なんですね、笑。

お散歩の後、身体を拭いてもらうためにフセして待っている二匹。
お散歩好きの兄の目が輝いています。
弟は暑さに弱いので、あまり嬉しくなさそう。
彼はおもちゃが命です。
西加奈子 『くもをさがす』 ― 2023/05/27

2021年、コロナ禍の中、カナダのバンクーバーで暮らしていた西さんは、足に大量の赤い斑点ができ、クリニックに電話をします。
写真を送ると帯状疱疹ではないかと言われ、対面の診察では蜘蛛か何かに噛まれたのではないかと言われます。
実はこの頃、西さんは胸のしこりが気になっていました。
思い切って医師にそのことを告げると、その場で三週間後の超音波検査とマンモグラフィ、そしてその一ヶ月半後の針生検を予約できました。
結果は浸潤性乳管がんでした。
たいていの人は言葉やシステムがわからない外国で治療を受けるよりも日本でと思うでしょうが、コロナ禍では戻るに戻れません。
西さんはカナダで治療を受けることになりますが、治療が軌道に乗るまで、様々な困難に遭遇します。
例えば、がんセンターから電話がかかってくると言われたのに、かかってこない。
吐き気止めの薬をいつ飲んだらいいのかわからない。
薬が薬局に届いていない。
白血球を増やす注射を自宅で自分で打たなければならない。
両方の乳房を切除したというのに、手術は日帰り。
しかし幸運なことに西さんには頼りになる知人と友人たちがいました。
看護婦たちは皆優しく、驚くほどのケアをしてくれました。
カナダでは看護師と患者は対等な関係です。
「カナコ。がん患者やからって、喜びを奪われるべきやない」
「あなたの体のボスは、あなたやねんから」
彼女たちはそう言って必要な時には手を差し伸べてくれます。
西さんも書いていますが、「日本では家族のことは家族だけでなんとかしないといけない、という考えが、私たちの心身にしみついている」ため、人に頼ることをよしとしません。
もし私ががんになったら、たぶん人には頼らずに、家族だけで頑張るでしょう。
家族には仕事があるからと、一人で病院まで行って検査や治療に耐えるでしょう。
ご飯のことなんかできそうもないから、コンビニ弁当にでもなるのだろうなぁ…etc.。
でも西さんの場合は違いました。
電話で埒が明かない時は知人が代わりに電話をしてくれました。
Meal Trainというものがあり、西さんのがんがわかってから手術を終えた後まで、半年も友人たちが毎日順番にご飯を届けてくれました。
病院に行くときには、付き添ってくれる人がいました。
カナダで皆西さんのようなサポートが得られるわけではないでしょうね。
「私は人に頼るのが得意な方だ」といえる彼女のような人だからこそ医師や看護師などと温かい交流ができ、友人たちからのサポートが得られたんじゃないかしら。
人に頼れない私じゃダメだわねぇ…。
この本は闘病記ではありますが、日本とカナダの文化論でもあります。
「日本人には情があり、カナダ人には愛がある」
と西さんは書いています。どちらがいい、悪いではないですが、カナダに暮らすとストレスが少ないかもしれませんね。
実は私、関西弁があまり好きではないのですが、西さんの書いているカナダ人医療従事者たちの関西弁には愛を感じました。(もちろんカナダ人が関西弁を話すわけがないですが)
実際は大変だったのでしょうが、書いてあるように、何事もよい面を見て、前向きに、パワフルに、明るく生きて行けたらいいなぁと思いました。
西さん、お体に気をつけて、執筆を続けて下さいね。
そうそうタイレノールってそんなに万能な薬なのでしょうか?
カナダ人、飲み過ぎよ、笑。
<今日のわんこ>

パパが部屋の移動を始めたので、わんこたちは興味津々で見ていました。

とにかく物が多すぎです。
断捨離をしなければ…。
村上春樹 『騎士団長殺し』 ― 2023/05/24
『騎士団長殺し』は『騎士団長殺し<第1部>顕れるイデア編』と『騎士団長殺し <第2部>遷ろうメタファー編』の各上下二巻からなるお話です。
村上春樹は学生時代から読み続けていますが、『IQ84』以降は文庫本になったら読もうかという感じになっています。
新作の『街とその不確かな壁』を図書館で予約をしようかとも思ったのですが止めて、この本をkindleで読むことにしました
村上春樹は村上春樹のままでした。

「私」は36歳の画家で、肖像画を描いて生計を立てていた。
ある日、妻のユズから離婚したいと言われる。男がいるというのだ。
ショックを受けた私は、ユズに家を引き渡し、車で北海道と東北地方を放浪する。
途中で車が動かなくなってしまい、二ヶ月ぶりに東京に戻った私は、二度と肖像画を描かないと決める。
美大時代からの友人の雨田政彦から彼の父親が住んでいた小田原の山中にある家を借り、住むことにする。
雨田の父、雨田具彦は著名な画家で、始めはモダニズム絵画を指向し、ウィーンまで留学したが、帰国後唐突に日本画に転向していた。
ずっとこの家で仕事をし、十年前に妻が亡くなってからはひとりでここにこもって暮らしていたが、認知症が進み療養所に入ったという。
越してきて数ヶ月経った頃に、私はアトリエの屋根裏部屋で雨田具彦の未発表の絵を見つける。
その絵は『騎士団長殺し』と題されていて、私はその絵には何か特別なものがあると感じる。
夏が終わろうという頃に、エージェントから電話が来る。
もう一度だけ、肖像画を描いてみないかというのだ。
その話は報酬が法外によく、対面で描いてもらいたいという要望だった。
肖像画の依頼主は私の家のテラスから見える瀟洒な邸宅に住み、銀色のジャガーに乗る、白髪の免色渉という男だった。
私は免色は私に何を求め、何の目的で肖像画を描くように依頼してきたのだろうかと疑問を感じる。
そんな頃、真夜中に目を覚ました私は不思議な鈴の音を聞く。
その音は祠の裏に積まれている石の隙間から漏れ聞こえているようだ。
モデルをしに来た免色にその音の話をすると、彼は夜中にまた来るという。
その夜、やって来た免色は私に十三年前の出来事を話す。
その話が終わった頃に、鈴の音が聞こえてくる。
免色は費用は自分が出すから、知り合いの造園業者に依頼して、重機で石をどかし、掘り返してもらおうという。
やってみると、敷石のしたに石室のような穴があり、底に鈴が置かれていた。
ある夜、私が目覚めると、鈴が鳴っていた。
鈴の音はスタジオから聞こえていた。
スタジオに行くと、そこは無人で、鈴は棚の上にある。
しかし、居間のソファの上に、身長が六十センチばかりの白い奇妙な衣服をまとった、具彦が絵の中で描いた騎士団長がいた。
彼は自分のことを「イデア」だという…。
騎士団長の登場から物語は動いていきます。
とにかく第一部ではなかなか村上春樹の世界に入り込めなくて、読みにくく、字面だけ追っている感じでした。
第二部の冒険が始まると、読むスピードが上がりました。
でも、いったい彼は何を書きたかったのか、私の理解力が足りなくて、全くわかりませんでした。
意味のない(あるか?)セックス描写に辟易しましたし、自分の胸が膨らむかどうか気にしている少女が謎でした。
オペラの『ドン・ジョバンニ』は見たことがないので、見てみたら少しはわかるようになるかな?
気にいった言葉をあげておきます。
「この世界には確かなことなんて何ひとつないかもしれない」
「でも少なくとも何かを信じることはできる」
村上春樹が好きな方は読んでもいいでしょうが、そうでもない人は止めておきましょう。
初期の作品を先に読んだ方がいいと思いますよ。というか、私は初期の作品の方が好きです。

「ママちゃん、ぼく、穴の中が好きです」
ヨーキーはネズミ捕りなので、穴の中にもぐるのが大好きです。
いつでもどこでももぐろうとします。
タオルや座布団、クッションなどがあると、すぐに下にもぐります。
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