「ロング・トレイル」を観る ― 2021/08/15
「わたしに会うまでの1600キロ」ではアメリカの三大トレイルの一つ「パシフィック・クレスト・トレイル」を歩いていましたが、今回紹介するのは別の三大トレイル、「アパラチアン・トレイル」です。アメリカ東部のジョージア州からメイン州までの約3526㎞です。
主演がロバート・レッドフォード。懐かしいです。
「追憶」の彼(の顔)が好きでした。しかし、久しぶりに見た彼は…年を取ったなぁという印象です。しわくちゃなのは仕方ないのかもしれませんが、それにしても別人みたいです。でも見ているうちに、彼は彼でした。
原作が『ビル・ブライソンの究極のアウトドア体験ー北米アパラチア自然歩道を行く(A Walk In The Woods:The World's Funniest Travel Writer Takes a
Hike)』です。
(ネタバレあり)

トラベル・ライターだったビル・ブライソンはアメリカに戻り、ニュー・ハンプシャー州、ハノーヴァーで悠々自適の生活を送っていました。
知り合いの葬儀に出た後、自宅付近を散歩していると、アパラチアン・トレイルと書かれた標識を見つけます。
家に戻りwebサイトで調べてみると、素晴らしい風景が現れました。
ビルはアパラチアン・トレイルの踏破を決意し、早速庭でテントを張ろうとしますが、古いテントなので…。
妻のキャサリンは反対します。だって彼はもう60を過ぎた年寄りで、普段から体を鍛えていないんですもの。
トレイルで死んだ人の記事などを集めてビルに見せます。
息子も無理だとはっきり言いますが、アウトドアショップまでビルを連れていってくれます。
結局一人ではなく、誰か他の人と一緒なら行ってもいいということになります。
ビルは友人知人に声をかけまくりますが、ことごとく断られます。
やっと現れたのが酒がもとで喧嘩別れをしていたスチィーヴン・カッツでした。
彼に40年前、ヨーロッパで600ドルを貸したまま返してもらっていません。
妻はもちろんカッツと一緒に行くのには反対でした。
飛行場に現れたカッツは足が悪いみたいで、飛行機から降りるのも一苦労。今までの不摂生がたたったのか体はブクブク太っていて、とてもじゃないけど歩けるような体ではありません。
一抹の不安はありますが、ビルはカッツとアパラチアン・トレイルに挑戦することにします。
別れ際、心配なキャサリンはビルに、「愛している。死なないで」と言うのでした。
4月、ジョージア州から出発します。
トレイルの始点の宿泊所で一泊しますが、次の日、カッツはもう一泊しないかと言い出します。
ビルはそんなカッツを無視し、俺は行くぞと言い、歩き出します。カッツは着いて来ますが、最初からヨタヨタです。
早々に疲れて座り込む二人。若者達はそんな彼らを追い抜いていきます。
カッツは「今すぐ殺してくれ」なんて言い出し、その夜は疲れすぎたのか何も食べずに寝てしまいました。
道の途中で様々な人に出会います。
その中の一人、メアリーはとんでもない女性で、ビルのテントがスリーシーズン用じゃないと馬鹿にするわ、カッツには太りすぎだと言うわ、歩きながらベラベラ喋り続け、夜中には歌い出します。
辟易したビルとカッツは彼女を出し抜くことにします。
上手くメアリーをまき、ヒッチハイクをし、カップルの車に乗せてもらいますが、カップルは酒を飲んでいい気分で、交通事故を起こさないかとビクビクものです。
やっとレストランで一息ついた時に、カッツは酔って交通事故を起こして以来酒は飲んでいないこと、そしてメアリーに後ろめたさを感じていることをビルに打ち明けます。
トレイルに戻り歩き出すと、反対側から来た男がメアリーが彼らのことを噂していることを教えてくれ、これから雪が降りそうだと言い去っていきました。晴れているので雪なんか降るはずはないと思っていると、本当に降り始めます。とりあえず風を避けられる所でテントを張ります。
翌朝出かける準備をしていると、ビルはカッツのザックの中に酒を見つけます。
宿泊小屋で部屋を取ろうとすると満室。仕方なく大部屋の二段ベッドに寝ることにしますが、カッツが上段に寝たため、ベッドがカッツの重みに耐えかねて壊れ、カッツがビルの上に落ちてきます、笑。
5月、川を渡ろうとします。
親切な若者たちが荷物を向こう岸まで持って行ってくれるといったのを断ります。
カッツは川に落ち、彼を助けようとしたビルも落ちてしまいます。
その後、グレートスモーキーの素晴らしい絶景に目を奪われる二人。
モーテルに泊まり、久しぶりにベッドとシャワーにありつけましたが、カッツがコインランドリーで出逢った太った女性と上手くやろうとし、彼女の夫に見つかり追いかけられ、急いで逃げてトレイルに舞い戻ります。
森の中で寝ていると、二頭の熊がやって来ます。慌てて二人はテントを持ち上げて大きく見せ、熊を威嚇します。熊は去って行きました。
6月、大雨と雷。
トレイルの半分の距離も歩いていないので、レンタカーを借りてズルをしようと言い出すカッツ。ビルは反対し、カッツを置いて歩き出します。カッツは諦めてビルの後に続きます。
熟練コースを歩いていると、ビルがwebサイトで見た絶景の場所に辿り着きます。
そこでカッツは酒の瓶を持っていた理由を明かし、酒を捨てます。
岩場が続き、だんだんと道が狭くなり、そのうち二人はよろけて崖から落ちてしまいます。(落ち方がわざとらしいですけどね、笑)
さて、二人の運命は…。
二人のオヤジ(おじーちゃんと言ってもいいけれど)たちの旅は散々な終わり方になりますが、それでも二人は満足したようです。
三大トレイルの中でこのアパラチアン・トレイルは一番難易度が低いそうですが、実際に踏破できるのは20%ぐらいしかいないそうです。
そうだとすると、60を過ぎたオヤジたちにしては健闘したと讃えるべきかもしれませんね。
トレイルを踏破するには何ヶ月もかかるのですが、街が近いので、ハイカーたちは長くても6日以内に街に降り、頻繁に食料の補給や休息を取りながら歩き続けるそうです。
今はもう歩けませんが、20代だったら一部分でいいからチャレンジしたかったですわ。
予告編をご覧下さい。オヤジ二人の雰囲気がわかると思います。
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