「アンモナイトの目覚め」を観る2021/10/29

観たかった映画が配信されました。
本当は映画館の大画面で観たほうがいいとは思いますが、電車に乗って、人混みの中を歩くのはまだ躊躇してしまいます。
私は臆病者なので、来年になっても感染者数が変らなければ、美術館や映画館、外食解禁にしようかと思っています。


ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンがそれぞれ古生物学者のメアリー・アニングと地質学者の妻・シャーロット・マーチソンを演じています。

1840年代のイングランドのライム・レジスが舞台です。
ライム・レジスは化石の町として有名で、夏の暖かい時期に、プリマスに行く途中に寄るのがよさそうです。
メアリー・アニングとシャーロット・マーチソンは実在の人物で親しかったようですが、それ以上のことはわかっていないとのことなので、この映画は監督の作ったお話だと思って観てください。
私は古生物学者メアリーの伝記話だと思って観ていたので、観ている途中に女性同士の恋愛映画だと気づいて驚いた次第です、笑。
女性同士の性的場面に拒否感のある方は観ない方がいいでしょう。

メアリー・アニングは労働者階級の出で、父が早くに亡くなったため教育もほとんど受けていません。化石の発掘は父から教えられ、13歳で大英博物館に飾られているイクチオサウルスの全身化石を発掘したことで知られています。
観光客相手に地元の海岸で発掘した化石を売り、生計を立てていました。

ある日、地質学者で化石コレクターのロデリック・マーチソンが妻のシャーロットと共にメアリーの店にやってきます。
彼は「ライムの女神」であるメアリーに会いたかった、お金を出すから採石に連れて行ってくれないかと言います。

ロデリックの妻のシャーロットは流産してから、うつ病を患っていました。
彼は気分転換になるからとライムに連れてきたのに、外にも出ようとはせず、ふさいで寝ている妻を持て余していました。
妻をライムに置いて考古学ツアーに行こうとしますが、一人は嫌だと言い張ったため、メアリーに妻を押しつけよう、いいえ託そうとします。
メアリーの貧しい暮らし向きを見て、お金を出せば嫌と言えないと思ったのでしょうね。
この時代の夫婦ですから、こんなもんでしょう。

夫に置いて行かれたシャーロットは初めはメアリーに対してぞんざいな態度を取りますが、高熱で倒れ、手厚く看病されてからはメアリーに心を許すようになります。
子を失ったシャーロットはメアリーに子どもはいるかと聞きます。
メアリーは母が10人も子どもを産み8人亡くし、感情をなくした、自分は仕事があるから子どもは必要ないと答えます。

生活を共にするようになり、やがて二人は互いに引き合うようになります。
しかし、そんな暮らしも一通の手紙が届き…。

ライムの海岸の寂寥とした感じと当時の抑圧された孤独な女性たちの心が共鳴し合っているような映画でした。